「生きている限り自立した生活を実現する」をミッションに掲げる東京理科大学発ベンチャーのイノフィス(折原大吾社長=写真左、東京都新宿区)は8月より、「マッスルスーツ」ブランドの新しい腰補助モデル「マッスルスーツGSーBACK(バック)」の販売を開始した。

 

創業者で同大工学部教授の小林宏氏(写真右)により、創業当初の2014年から装着型の作業支援ロボットを開発・販売してきた同社。多くの作業者が腰の負担に悩まされていることから、腰部の補助に特化した「マッスルスーツ」の販売を開始し、開発・改良を重ねて新製品を毎年のようにリリースしてきた。

 

2019年には従来機種の3分の1以下の価格を実現した「マッスルスーツEvery(エブリィ)」の販売を開始。同製品の販売は長引くコロナ禍にあっても堅調に推移し、シリーズ累計出荷台数は2万台を突破した。

 

 

今回発売の「マッスルスーツGSーBACK(バック)」は、さまざまな業界の作業現場に足を運ぶなかで、「腰の負荷をほどよく軽減しつつ、歩いたりしゃがんだりする連続作業で役立つアシストスーツ」の必要性を感じたことから開発に至ったという。

 

これまでの人工筋肉を使った「マッスルスーツ」では、その特徴である人工筋肉の大きさと強さにより、装置全体の小型化に限界があった。また「ももパッド」の太ももへの強い押しつけ力が、歩きにくさの原因となっていた。新開発の同製品は、小型の「ガススプリング」を採用することで、これらの問題を解決。深くしゃがみこめることも特徴となっている。

 

重量(カバー含む)は3.3kgで、従来品よりも軽量化を実現。背面もスリムで、狭い場所でも活用が可能だ。電力も使用していないため、屋内外問わず、さまざまな作業シーンで使用できる。

 

歩く、しゃがむ、立ち上がる動作を軽やかに行うことができ、高い機動性を必要とする手荷役の作業現場で活躍。倉庫での荷捌きや運搬作業、運送業での積み込み・積み下ろし作業、製造業での商品移動やピッキング作業、小売業での品出し作業など、さまざまな現場の作業をサポートするとともに、作業者の腰の負担を軽減する。

 

 

同製品について折原社長は、「ほどよい補助力で、より軽く動きやすい、機動性を重視したアシストスーツ。歩く・しゃがむ等の動作が多い業務での使用を想定している」とし、物流や製造業のほかにも幅広い分野への普及をめざす。

 

メーカー希望小売価格15万9500円(税込)。問い合わせは同社、もしくは販売代理店へ。マッスルスーツブランドサイト内のECショップ内でも購入が可能。

 

◎関連リンク→ 株式会社イノフィス