2020年度に開始された、運転者の労働条件や労働環境を評価・認証する「働きやすい職場認証制度」。2日時点の認証事業者数は累計3278社で、そのうちトラックが2320社となっている。

認証実施団体である日本海事協会交通物流部の谷口裕美グループリーダーは、「認証を取得した事業者からは、『若年層の採用につながった』という声を聞いている」と同認証の効果を説明する。

個別の声だけでなく、初年度の取得企業に対して実施したアンケートでも、「効果を実感した」という明確な数字が現れているという。「認証の取得へ向けて会社として取り組む中で、『従業員の意識が変わっていった』という例が多い」

制度の開始から2年が経ち、同協会では現在、同認証の周知や普及を目指す取り組みを精力的に行っている。全国各地のハローワークや労働局を訪問し、制度の説明と周知徹底を直接依頼。

また、求職者向けの説明会やイベントでのPR、さらにはインスタグラムによる若年層向けの普及活動にも力を入れており、同リーダーは、「『見たよ』と言われる機会も増え、少しずつ知っていただけているのではないか」と手応えを感じている。

オレンジ色の同認証マークが入ったリーフレットや各種グッズも作成。なお、認証企業は同マークをハローワークの求人票に入れ、働きやすい職場であることを求職者に対してわかりやすく訴求することが可能だ。

 

同部の本多知子チーフプロモーターは、普及活動の中でも特に「女性ドライバーを対象としたイベントに注力したい」と話す。「トラガールの取り組みもあるものの、実際のところ女性ドライバーはまだまだ少ない。会社の枠を超えて悩みを共有できる女性同士のつながりを作ることで、皆さんを支援したい」。その根底にあるのは、「女性が働きやすい職場は、みんなが働きやすい職場である」という思いだ。同制度のさらなる普及により、業界全体の離職率低下をめざす。

3年目となる2022年度は、9月16日から申請受付が開始。さらに、「一つ星」をすでに取得している事業者を対象に、12月16日から、より高い水準の「二つ星」の申請受付も新たに開始することが決まった。審査要件として、「自主性・先進性等」が加わる。なお、「三つ星」も来年度の導入を予定しているという。

 

◎関連リンク→ 働きやすい職場認証制度