東洋ロジテム(赤星雄二社長、愛知県額田郡幸田町)は脳科学事業を展開するNeU(長谷川清代表、東京都千代田区)による運転技能維持向上のためのサポートプログラムを全国で初導入し、このほど本社でオリエンテーションを実施した。同社ではドライバーの平均年齢が50歳に達したこともあり、高年齢化による事故防止対策に役立てたいとしている。

オリエンテーションでは長谷川代表が脳の構造や機能について説明。運転者には頭の回転・記憶力・注意力・集中力・予測力が求められ、これらの認知機能には前頭前野が深く関わっていることを示し、年齢とともに機能低下する前頭前野を活性化させるトレーニングツールを紹介。

 

また、任天堂DS脳トレを監修し、NeUのCTOとして開発や研究に携わる東北大学の川島隆太博士もオンラインで参加。研究者の視点からより踏み込んだ説明をして理解を深める機会とした。

同社が導入するタブレット端末を使った脳トレ「Active Brain CLUB for drivers」は1回1分のゲームで、3種類を2回、週3回以上行って前頭前野を刺激するもの。額に装着したセンサーで血流量を測り、ゲーム中の脳の活動状態をスコアで表示する。実際に試した社員は「シンプルなゲームだが実際にやってみると難しい。集中力が養われた」とスコアから手ごたえを実感した様子だ。

川島博士は「一般の高齢ドライバーは実証実験でプログラムの効果を証明済みだが、プロドライバーにはまだできていない。同社における結果を解析し効果が証明されれば、大きく広めていきたい」として、多くの運送会社が直面するドライバーの高齢化対策の一翼を担えることに期待。「高齢ドライバーに、いかに長く働いてもらえるか。その可能性に迫るため今回NeUさんとタッグを組んだ」という赤星社長は、「プロドライバーへの効果が実証されれば、リフトオペレーターへの展開も検討したい」と継続的な活用に意欲を示している。

 

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