皆さんこんにちは、日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長の上西一美です。事故時の運転者との面談で、最も注意すべき点は、「責任追及しないこと」です。

そもそも皆さんが、交通事故を起こした運転者を指導する目的は何でしょうか? 答えは1つ、「その運転者が二度と事故を起こさないようにすること」ではないでしょうか? であるのなら、過去を見ることも大切ですが、最も大切なことは、「今後、どのような運転行動をするか」をしっかりと話し合うことではないでしょうか?

たしかにミスしたことを分析するのは大切です。それをしないと原因がはっきりせず、今後とるべき行動が的確でなくなるからです。ちなみに、責任を追及すると、その原因も正確にわからなくなります。

たとえば、街を歩いていて、いきなり知らない人から殴り掛かられたら、あなたはどうしますか? 私なら防御しますが、中には逃げる人もいるかもしれません。指導時にいきなり責めると、相手は「嘘」という防御をし、言い訳で逃げます。

さらにそれがエスカレートすると、労務トラブルという反撃につながることもあります。過去に交通事故がきっかけで、不当解雇から組合発足という最悪の事態を招いたケースもありました。

原因追及とは、あくまでも、どんな行動を取るべきか? を分析するためのものであって、その作業に時間をかける必要はありません。

それよりも時間をかけて欲しいのが、その原因からどのような運転行動を取り、また、その運転行動を習慣化させるためにどう取り組むべきか? です。

ぜひ責任追及型の指導ではなく、未来志向の問題解決型指導で、運転者の運転行動の習慣化を目指して下さい。この話は私のYouTubeにも上げておりますので、ぜひ、QRコードから見て下さい。