ドライバー不足や輸送効率の低下など、物流業界の社会的課題の解決を目的に設立されたNEXT Logistics Japan(東京都新宿区)。ダブル連結トラックや隊列走行への取り組みで知られる同社はこのほど、トラックから取得するデジタルデータを活用した安全・省燃費運転講習のノウハウに、自動車教習所と物流事業者が持つ教育のノウハウ・知見を掛け合わせた「プロドライバー養成ソリューション」の提供を開始した。梅村幸生社長は、「物流業界で高度に活躍できる人財の育成を目指す」と語る。

 

同ソリューションでは、日常点検やリアカメラの死角、荷崩れ、積載状態の制動などを1泊2日の実技と座学で学ぶ。「車両の扱い方から運転技術、運送の実務面など多角的にドライバーさんへの講習を行う」とし、「初任運転者に対する一般的な指導の12題目15時間以上を網羅しているだけでなく、継続的にフォローアップできることが当サービスの魅力」とアピール。

 

 

また、「事前にドライバー個々の能力に合わせてクラス分けする。ポイントを絞れる上、プラスアルファまで付加できる」と説明。「夜間の危険性も実感いただくため、初日は午後9時までのカリキュラムを設定している」とも。

 

同社の親会社である日野自動車が2005年6月に東京都羽村市に開設した「お客様テクニカルセンター」で実施している講習をベースに、「より多くの皆様に提供したい」という思いから教習所での開催を実現させたという。現在は、ぐんま安全教育センター(群馬県前橋市)の1か所となるが、今後は全国展開を予定している。

 

講習費用は1人9万円(税別、宿泊や食事代は別途)で、月に一度の開催を予定。「定員6名での開催を予定しているが、団体での受講の要望も多くいただくため、個別で対応している」。

 

梅村社長はドライバー不足について、「輸送効率が悪いことや労働の長時間化、なり手がいないことなど、いくつかの原因が複合的に絡み合っている」と指摘。「新たにドライバーになる人は一定数いるが、それと同数くらいがすぐに離職しているのが現状」と肩を落とす。「トラックドライバーはただ運転すればいいわけではないが、プロとしての要件が明示されていないこともモチベーションを下げる要因では」と分析。「ドライバー不足は社会全体の課題。物流の効率化と当サービスの相乗効果で課題解決に貢献したい」と語った。

 

◎関連リンク→ NEXT Logistics Japan株式会社