【質問】燃料価格の高騰により経営状況がますます厳しくなっています。荷主に燃料サーチャージ制度の交渉を始めたいのですが、荷主の理解を得やすい取り決め方があれば教えてください。

 

 最近、燃料サーチャージの導入に関する相談を受けることが多くなりました。

 円安などの影響で原材料価格の高騰に苦しむ荷主に対し、燃料サーチャージの交渉をすることは容易ではなく、どうすれば荷主の理解を得られるかと悩む運送会社が多いと思います。

 実際の交渉時には、まず燃料サーチャージの基準価格を荷主が理解しやすい価格に設定する必要があります。運賃契約時の軽油価格では、そもそもいつ頃の契約なのか不明なことも多く、昔の軽油価格と現在の軽油価格では価格差が大きすぎるため、荷主の理解を得られません。荷主には過去1年間の平均軽油価格を基準価格にする方法が最も理解しやすく、最近その方法で合意できた運送会社があります。

 平均価格は全ト協が毎月発表する軽油価格推移の数字を使って算出します。ローリー価格とスタンド価格のどちらの価格で捉えても結構です。荷主が気にするのは、燃費向上に対する運送会社の自助努力です。各社の実態燃費や燃料消費量で算出すると、各社の自助努力が報われなくなることを懸念しています。

 また、運送会社の計算結果を検証する手間を省きたいため、煩雑な制度は敬遠されます。基準燃費は個社ごとに設定するよりも、あらかじめ車種ごとに共通の基準燃費を設定し、燃料購入価格についても各社ごとの購入価格ではなく、全国平均の軽油価格と基準価格との差額を都度捉えるほうがわかりやすいと考えています。

 例えば、基準燃費には標準的な運賃の計算で使用した標準燃費(2㌧7・9㌔/㍑、4㌧5・9㌔/㍑など)の数値を利用し、冷凍冷蔵車などの場合は、それぞれ一定割合下方修正することにより、統一した燃費を使う方法です。

 省エネ運転時の燃費を設定することが必要です。走行距離は各社の業務データから当該荷主の配送業務に関わる一日あたり標準距離数を算出し、稼働日数を掛けて算出します。

 また、軽油価格の上昇額テーブルは5円刻みの幅で作成すると合理的です。

 燃料サーチャージ算出上の代表軽油価格は、各変動幅の平均価格を使う方法が一般的ですが、荷主の理解を得やすいのは、各幅の下限価格を使用する方法です。軽油価格が下限価格を超えた段階で平均価格を使って支払うことは荷主の理解を得づらい傾向があります。

 

(コヤマ経営代表 小山雅敬/中小企業診断士・日本物流学会会員)