「物流の発展は、黎明期、インフラボーナス期、高度化期、成熟期の4段階で大別され、成熟期に該当する日本は物流市場全体としては成長を見込みにくいが、伸びしろのあるサービスも存在する」というローランド・ベルガー日本法人(東京都港区)のパートナー小野塚征志氏。

物流は、「経済の血脈」と称されるだけあって、その市場規模はGDPに準ずる。即ち、高度経済成長期であれば物流の市場規模も急速に拡大するが、日本のように成熟した国では、大きな成長は望めない。

小野塚氏は「GDPに完全に比例するかというと、必ずしもそうではない」とし、「GDP以上に成長するときもあれば、下回ることもある。それは、黎明期、インフラボーナス期、高度化期、成熟期の4つの段階によって大別される」という。

大半の先進国が該当している成熟期では、物流インフラへの投資は、安全性と効率性を高めるための環境整備が中心となり、オペレーションの最適化が進むことで物流市場の成長は次第に鈍化することが予想される。

対して、小野塚氏は「伸びしろのあるサービスも存在する」として、「宅配・デリバリーといったラストワンマイルの物流サービスは、GDPを超える成長率を記録しており、GDP全体で見れば、店舗での売り上げがラストワンマイルにシフトした結果といって差し支えない」という。

さらに、「日本では、選択と集中を図ろうとする企業が増える中で、物流管理業務の外部化が進み、内製化されていたコストが3PLの売り上げにシフトしたため、3PLの成長も著しい」として、「つまるところ、ラストワンマイルや3PLを軸に物流ビジネスを展開するのであれば、成熟期であっても十分に成長を見込める」としている。

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