「配送王」はラストワンマイルを担う軽貨物運送業のWebメディア。首都圏や東北などで軽貨物運送サービスを展開するMIRAIS(重松宏志社長、神奈川県横浜市)が運営している。メディア運営をスタートさせた背景には「軽貨物運送業の社会的地位を向上させたい」という重松社長の願いがあった。コロナ禍以降、改めて仕事の意義について向き合う機会が増えたという同社長。経営理念を超えた会社の「使命」について考え、「世界中の人々を笑顔にする」と定めた。対象を世界としたのはITの子会社ができ、世界に向けてサービスを発信することも可能となったことから。この時から世論を動かすという大きなミッションがスタートした。

 

最初の記事として、同社長が軽貨物運送業に対して抱いた想いを配信した。記事の中で、荷主の一方的な都合による契約解除や運賃の値引き、契約にない付帯作業のサービスなど、同社長がこれまで経験した理不尽な扱いが率直に綴られている。自身の経験を通じて至ったのは、「現状として軽貨物運送業界が社会から大切にされているとは到底思えない」という結論だった。一方で、軽貨物業界にも問題があると指摘する。「たくさん稼げる」と謳っておきながら、高額の手数料を差し引く業者の過大広告、ドライバーの社会的常識の欠如、自身の利益を最優先に考える同業者の存在など。「業界の担い手側にも多くの課題があるからこそ、社会からの信頼を得られていない」と語る。

 

配送王では、軽貨物運送業界の真実を隠さず配信していくという。新たに軽貨物ドライバーを目指す人には、「良い業者と悪い業者を見分ける目を養ってほしい」と話す。業界のリアルを発信していくことについて、「同業者や荷主からどう思われるかも考えたが、そんなことばかり考えていては意識改革を図ることは出来ない。全部敵に回す覚悟」と同社長。一方で理解を示してくれる荷主や同業者もいると信じている。そんな理解者と共闘していきたいと考えている。

 

「業界の地位を向上するためには関係者だけ意識改革をしても難しい。消費者や荷主の意識改革も必要」と同社長。Webという不特定多数の目に触れる舞台で、軽貨物運送業が持つ社会的価値を正しく広く発信することで、業界の社会的地位の向上に貢献していく。

 

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