「モッタイナイを笑顔に変える」を企業ミッションに掲げ、法人在庫買い取り・事業買い取りおよび再販を手がけるPINCH HITTER JAPAN(長崎県諫早市)。このほど、遊休スペースを保有する運送事業者をメーンターゲットにした倉庫レンタルサービス「カリレル」を開始した同社の吉岡拓哉社長に話を聞いた。

 

滞留在庫を一括買い取りし、小売事業者への卸売サービスやインターネット上での販売を展開している同社。同社長は、「ユーザーから『倉庫スペースが足りない』という声が聞かれることも珍しくなく、当社でも仕入れを強化したいが、倉庫スペースの不足により難しいこともしばしばあった」と切り出す。

 

一方で、運送事業者の保管スペースについては、「空き倉庫や屋根付きのトラック置き場など、遊休スペースが課題となっている現状を知り、当社が得意なマッチングサービスの開発に至った」と振り返る。

 

 

 

全国の常温の倉庫スペースが対象で、事業者は登録後に倉庫スペースの詳細を入力する。マッチングが成立すると入庫から保管、出庫までを事業者が担当。「1日から、1パレットからでもスペースのレンタルが可能で敷金・礼金など初期費用も不要」とし、事業者側も「もちろん、貸し出したい期間の希望を出せる」と説明する。

 

賃料は、一律で1パレットにつき1日100円で、賃料のやりとりは、同社が間に入り行われる。「当社が介在することで安心感につながるはず。いつでも解約できるため、気軽に利用いただければ」。

 

今年2月上旬に開始された同サービスだが、すでに「113社に登録いただいている」と話す同社長。「従来から、業務で物流ユーザーとの信頼関係を構築できていた」という。「物流ユーザーは遊休スペースを活用でき、一定の物量を確保できるため、喜ばれている。小売りユーザーも、低コストでスペースを借りられ、双方がWin―Win」と胸を張る。

 

 

「コロナ禍でも変わらず毎年1.5倍ずつの成長を遂げている」という同社。2階にはバーも併設しており、運送事業者と酒を酌み交わすこともあるそう。「とても良好な関係」と目を細める。「力を貸していただくことの方が多いと思うが、今後も協業して、業界を盛り上げて行けたら」と語った。

 

◎関連リンク→ カリレル