「物流現場の『しんどい』を解決したい」アイシンのBRIDGES@ny(ブリッジスエニー)
アイシン(吉田守孝社長、愛知県刈谷市)といえば自動車関連部品メーカーというイメージが強いが、物流現場の課題と向き合っていると聞いたら、意外に思うだろうか。
「BRIDGES@ny(ブリッジスエニー)」と名付けられた同サービスは、カーナビ等で培われた自社の技術を基盤に「現場の困りごと」と向き合う姿勢で事業者とともに改善を進めていくソリューションで、現状では主に動態管理、配送計画作成、ドライバー運転支援といった運行管理またはその支援を行っている。そのプロジェクトリーダーである同社の山村洋市氏は「ほかにももっと力になれることがあるはず」と語っており、積極的な姿勢でさらなる可能性を模索し続けているさなかでもある。
山村氏のそんな言葉の通り同サービスの取り組みは「徹底した現場主義」とも言える地道なもの。ヒアリングはもちろん、仕事に密着して現場をとことん肌で感じた上で課題を抽出し、企業対顧客というよりはパートナーとしての協力を通して解決策を見出していくスタイルだ。
過去の実績では最適な配送ルートを提供することでトラックを1割削減した例や、配送場所ごとに異なる駐車場所や荷卸方法をデータ化し、ドライバーに通知する機能“地点カルテ”を開発。これによりドライバーの配送支援や後任への引継ぎおよび新人教育期間の短縮などにつなげてきたが、それらもすべて事業者との二人三脚といえるようなトライ&エラーの積み重ねによる賜物で、そこからは「BRIDGES@ny」の基本コンセプトである「人に優しい物流の実現」というテーマが見えてくる。
また、「物流で働く人に寄り添い、その支えになりたい」との姿勢を打ち出す山村氏は、人や仕事に密着する課題抽出の過程で痛感したという「現場の『しんどい』をなんとかしたい」という思いに言及。さらに、「自分たちにできることは限りがあり現場に出向くたびに力不足を実感することもあるが、そうした中でも事業者と一緒に考えて試行錯誤を繰り返していくことでより良い現場づくりに貢献し、物流にかかわる人の笑顔を増やしていきたいという思いで取り組んでいる」と力をこめる。
今後も同社では経済を回す上で欠かすことのできない物流企業の支えになりたいとの考えで、「BRIDGES@ny」を事業者と手を携えながら成長させていきたいとの意向。山村氏は、「現場をなんとかしたいという思いで取り組める事業者さんがあれば、ぜひ一緒にやっていきたい」とその心情を語っている。
◎関連リンク→ BRIDGES@ny
ご感想、情報提供など皆様からのコメントをお待ちしております!
お気軽にコメントしてください♪