大阪ト協(中川才助会長)は、第20回トラック運送業の景況感調査(令和3年10月から12月)を発表。令和3年度第3四半期の景況感調査では、新型コロナウイルスの感染状況が改善したことから荷動きの回復傾向が見られた。

 

実働率・実車率を見てみると「大幅に上昇」「やや上昇」の声が増えているものの、「輸送物量は回復傾向に転ずるもコロナ禍以前には戻らない見通し」との声があるように、荷動きは増えているが、コロナ禍以前に戻るにはまだまだ時間がかかると感じている事業者が多くみられた。

 

また、「出荷量は微増も軽油高などにより収益が悪化している」という声があるように、輸送数量の回復により営業収入が増えたものの原油価格高騰のあおりを受け、経費が増えたことにより、利益は増えていない事業者も多くみられた。

 

運賃・料金の水準を見てみると「横ばい」の声が相変わらず多いが、「やや上昇」という声や、運賃交渉中である事業者も増えている。また、運賃交渉を行った事業者の中には「新規の荷主に標準的な運賃の冊子を使って説明したところ、理解を得ることができた」との回答や「企業側が理解してくれており好感触であり、良い結果となった」との回答がある一方で、「取引先も厳しい状況にあり、運賃を上げるどころか下げられないかと相談されている」という回答があるなど、荷主企業の状況を鑑み、交渉を行うこと自体が難しい事業者もみられた。

 

今回の景況感調査では、新型コロナウイルス感染拡大の改善傾向により経済活動の回復傾向がみられたが、現在再びオミクロン株が猛威を奮っており、しばらくは、ウィズコロナにおける経済活動の維持について議論がますます重要になってくると思われる。

 

◎関連リンク→ 一般社団法人大阪府トラック協会