段ボール事業を手掛けるトーモクと、そのグループ会社で運輸倉庫事業を手掛けるトーウン(古坐登志雄社長、埼玉県さいたま市大宮区)は、昨年2月にEVトラックを導入した。

 

トーモクグループでは現在、SDGsに賛同し、CO2削減の観点から、国内工場の電力を順次、再生可能エネルギーに切り替えている。2013年度比で50%の温室効果ガス排出削減を目指すという目標を掲げる。

 

グループ内で最初に再生可能エネルギーに切り替えた厚木工場では、その再生可能エネルギーを導入したEVトラックの充電にあて、そのトラックで配送の一部を行っている。これにより、厚木工場は排出ガスの60―70%削減に成功。「かながわSDGsパートナー登録証」や「あつぎ再エネ電力利用事業者認定証」など数々の認定を受けている。

 

トーモク厚木工場の伊藤登工場長は、「顧客側にCO2削減への取り組みに関心があるため、EVトラックでの配送を提案した」という。「食品関係の企業からの関心が高いように感じる」と話す同工場長。「ただ、企業側は温室効果ガス排出削減について、どうしたらいいのか、どこから手を付けたらいいのかわからないことも多いのでは」とし、「そのため再生可能エネルギーを利用した配送でCO2削減ができると話すと、関心をもって聞いてくれる」という。

 

現在、EVトラックは1日に平均70km、4~5回転し、同社の段ボールを配送。厚木工場から納品先が近い顧客企業への配送を担っているため、EVトラックの特性を生かせているという。ドライバー向けには、残電量の確認や、バッテリーの減りが早くなる冬場の暖房のつけ方などの指導も行っている。

 

同工場長によると、「EVトラックでは、軽油で走った場合と比較して、月に1tほどのCO2削減に取り組めている」という。

 

EVトラックを運転する浦町佳寛さんは、「とても静かで走りやすい。配送先では、EVトラックのことで話しかけられたりもする」と顧客の関心の高さを指摘する。

 

同社では1台目はテストやPRを兼ねて運行を開始したというが、今後、バッテリーの軽量化が進み、走行距離も伸びれば、順次、導入していきたいとしている。

 

伊藤工場長は、「段ボールは環境に良い商品。後はどうやって作るか、どうやって運ぶかが課題になってくる」とし、「環境にやさしいEVトラックは運ぶのに最適」と導入のメリットを話す。

 

◎関連リンク→ 株式会社トーウン