勇運輸(千葉県八街市)の日暮春勇社長は、この道は長いと話すが、もとはまったくの異業界・異業種だったという。

日暮社長は20歳の頃、料理の専門学校を経て、洋食店の下働きをしていた。しかし、厳しい世界で同社長は挫折を経験したという。その後、魚屋で働いていたが、当時結婚し、子どもを授かったこともあり、このままの仕事では将来が不安だと、魚屋に見切りをつけた。すぐに生計を立てられる職業を考えた末、足を踏み入れたのが軽貨物の世界だった。それから約20年間、個人事業主としてダイレクトメールの配送を業務委託で行い、生計を立ててきた。そして平成23年9月、個人から法人へと移行し、勇運輸を創業した。

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「こだわりがなかったからこそ、この仕事を続けてこられた」と日暮社長は語る。人との付き合いを大事にしてきた同社長は、これまでさまざまな仕事をこなしてきたという。「こだわりが強かったら、他の方向に行っていたかもしれない」と振り返る。

家族を養うため、運送の世界へ足を踏み入れ、個人事業からスタートし、様々な経験を積んできた。昨年、そして今年は新型コロナウイルスという未知の感染症に、日本も大きな影響を受けた。しかし、そんな中でも同社は、「大きな事故や業務形態の変化もなく、増車をしながら売り上げを伸ばしてこられた」

来年の抱負については、「現状維持をしていくこと。もう一つは、協同組合活動を頑張っていくこと」だと指摘する同社長は、「この運送業界では今、1社だけでは生き残っていくのが難しくなっており、横のつながりを持って協力していく必要がある」とし、同業他社との連携を強めていく考えだ。