近畿の運送A社では、ここ数か月で追突などの事故が2件発生。中には長時間、道路を通行止めにするなど、運輸支局からの監査対象にならないかと不安を感じている。なぜそこまで不安を感じているのか理由を聞くと、「取引のある運送会社が2年前に死亡重大事故を起こし、昨年ようやく運輸支局から監査を受け、その結果、事業停止の行政処分が決定したから」だという。

事業停止処分を受けた経営者はドライバーの雇用を考え、同業他社に一時的に出向もしくは転職を願っていたが、コロナ禍に伴う物量の減少で、なかなか受け入れ先が見つからなかった。

 

A社の社長は「当社にもドライバーの一時的な雇い入れを依頼してきたが、輸送分野も車両の大きさも異なり、一時的とはいえ新たに雇い入れるほどの物量がなかったため受け入れを断った。もし自社が同じことになれば、果たして現状の事業をどのように運営していけるのかと考えれば他人事ではない。ドライバーだけでなく、その家族、さらには荷主企業にも迷惑をかけることから、適正な事業運営・管理、事故防止は本当に重要な課題と感じさせられた」と話す。

過去に死亡事故を起こした経験のある近畿の運送B社は「一般道路での巻き込みで死亡事故を起こし、事故から約1年後に運輸支局の監査を受けた。当社では、違反者に対してはペナルティを設けるなどして、管理の徹底を図っていたことで、監査を受けた後も、車両停止処分は受けたが継続して事業を運営できた」と話す。

B社の社長は、「点呼やドライバーの過労運転対策などに対して徹底して取り組むとともに、車両の管理なども厳しくすることで、万一、事故が発生したとしても、事業を継続できないという最悪の事態は回避できる」とし、「会社側の管理体制を徹底することで、事故や違反は減っていく」と語る。

事業停止や許可取り消しは最近では珍しい処分ではない。事業継続のためにも会社側の徹底した管理や取り組みは重要なようだ。