三重県亀山市に本社を置くカワキタエクスプレス(川北辰実社長)は今秋から、地元の県立高校2校へ本紙の定期送付を始めた。川北社長は「先生に物流を知ってもらい、生徒を物流業界に呼び込むことが目的。新卒採用を行う他の運送事業者さんにもご協力願いたい」と、この取り組みを広げたい考えを示した。

「高校生に業界紙を配っている夢を見た」という同社長。卒業生が同社で活躍する稲生高校や石薬師高校は教員とのつながりもあり、「起きて、その日のうちに学校に連絡した」と話す。業界紙に馴染みのない高校側は快諾。本紙送付は同社負担で、社名を明記して寄贈することとした。

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高校生の就職先で人気があるのは大手企業や製造業。そこには就職指導教員や保護者の意見が反映されているだけに、同社長は「先生の目に触れて、業界のことを理解してもらいたい。物流業界に意識が向けば、生徒にも勧めやすいはず。たまに自社の記事があればPRにもなる。まずは先生たちのイメージを変える」と将来の人材不足に歯止めをかけ、優秀な生徒を業界に呼び込む狙いを明かした。

そこで同社長が強調するのは、「業界紙を全国の高校へ届けたい」という熱い思いだ。教員は定期的に異動があることを強調し、「異動先でまた新聞を目にすれば、話がつながる」として賛同者を求める。「将来を見据えた広告費と考えれば、わずかなもの。業界紙を高校へ贈る会社が増えれば業界に対するイメージが変わり、それにふさわしい運送事業者が増えていけば業界全体の価値を上げることにつながるだろう」と話し、全国への浸透に期待を寄せる。

◎関連リンク→ 株式会社カワキタエクスプレス