「荷主と物流会社、双方の立場に立って、両者にメリットのでるサービスを提供するとともに、物流業界のDX化をサポートしていきたい」。テクノロジーとイノベーションの力で、次世代の当たり前を常に創造し続けるというビジョンを持って、グローバルコンサルティングファーム出身者やAI・DXのスペシャリストが集い、昨年10月にDNTechnology&Innovation(DNTI、西村大輔社長、東京都千代田区)が設立された。多様な人材を武器に、物流業界のDX化を後押し、荷主へは物流コストの削減を、物流会社には生産性向上による収益アップを提案する。双方にメリットのあるサービスを追求していくという同社の西村社長、そして物流を担当する川鰭泰洋氏に話を聞いた。

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DNTI社は、新日鉄ソリューションズの創業メンバーで、大日グループCEOを務める鈴木忠明氏を筆頭に、アクセンチュアや日立コンサルティング、日本IBMで要職を歴任した西村社長らがAI・DXのスペシャリストを集め、昨年10月に設立された。

固定概念にとらわれないビジネススキームの開発やデジタルプラットフォームの構築など、既存のサービス・モノ・ビジネスにイノベーションをもたらすというコンセプトで事業を開始した同社は、物流業界において、DX化を軸に、荷主企業そして物流事業者双方にメリットの出せる事業を展開していくという。

同社ではすでに今年3月、ロジストリングス社という子会社を設立、積載効率を高め、最適な運行計画を策定するためのプラットフォームの構築を進めている。

今年8月には、トラックメーカー主催の新規ビジネス創出イベントで、積載効率の向上を図るシステムで参加し、見事賞を受賞している。
トラックの積載効率を向上することは、環境にもやさしく、また、生産性の向上も図れるので、荷主企業にとっても、物流事業者にとっても、メリットは大きいと西村社長は指摘する。

物流企業での経験も長い川鰭氏は、「物流事業者のDX化を促した上で、労働時間や荷役作業時間、荷待ち時間、トラックの空き情報などの詳細データを蓄積し、集まったデータをもとに、荷主企業と物流事業者の間に立って、改善案を出し、双方のメリットを追求していく」と指摘する。

「いい結果が出せるように、いろんなところとジョイントしていきたい」とし、「荷主企業や物流企業だけなく、道路会社やトラックメーカーなどとも連携していければ」と、多様な人材を武器に、関係する企業や団体との連携も視野に進めていくとしている。

「荷主企業に効率化を提案し、そして物流事業者に収益向上を提案し、双方にメリットのある仕組みを構築し、業界のDX化に貢献していきたい」。西村社長と川鰭氏は、そう口をそろえている。

 

◎関連リンク→ DN Technology & Innovation株式会社