キョウエイファイン(坂元貞仁社長、愛知県豊田市)では、毎年9月に親孝行手当として1万円を全社員に支給している。今年で4年目となるこの制度は、支給された手当を使って社員が必ずひと月以内に親孝行し、どんな親孝行をしたかレポートを提出するというもの。

始めたきっかけについて坂元社長は「経営者の勉強会に行くと、親を大切にしましょうと常に言われる。それは経営者だけでなく社員も一緒。親を失ったときに後悔してほしくない。親子だからこそ後回しにしてしまうので、年に1度無理やり親孝行する機会を設けた」と話す。

レポートを読むと同手当はおもに会食やギフトの購入費に充てられているほか、現金をそのまま渡す社員もあり、すでに両親を亡くしている場合は仏壇に供える花や菓子を購入していることがわかる。また「亡き父が若い頃、母にプレゼントした腕時計を修理に出した。当時父がどんな思いで母にプレゼントしたのだろうかと、感慨深かった」という心温まるレポートも。

「この手当があることで、親が何をしたら喜んでくれるか社員は考える。強制的ではあるが、まず行動することが大事。結果、親との関係性が深まり、後悔も少し減ると思う。やってよかったと思ってもらえれば」と社長は話す。

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