ロジカム(大瀬麻衣子社長、福岡市東区)はセンコー(大阪市北区)と合弁でサポロジ(福岡市東区)を設立し、荷主と軽貨物ドライバーをマッチングするサービスを提供している。サポロジも率いる大瀬社長は、「昨年からスタートしたが、現在1200台の登録があり、ドライバーさん側の募集は非常に順調な滑り出し。案件のさらなる獲得が当社の仕事」と語る。

軽貨物に特化した同サービスは、月会費や登録料は無料で、運賃からマッチング手数料が引かれた金額がドライバーに支払われる仕組みだ。

「直荷主が基本。ドライバーさん側は、確定前に運賃が把握でき、荷主側は事前にドライバー情報が確認できるため、双方に安心いただける」と説明する同社長。「運賃は距離で算出するため、高単価を実現している。昼までに業務を終了できる案件もあるなど、ドライバーさんのワークライフバランスの向上に寄与できる」とも。

 

実際に走るドライバーが受注するのが原則だが、「条件などをきちんと事前に話し合うことを前提に」元請けの法人でも契約が可能。「『ドライバーに運賃が伝わるのは困る』という元請けも少なくないが、それは不信感につながる。人材不足でドライバーさん側が会社を選べる現状で、当サービスを選ばれるための差別化ツールとして活用いただければ」

 

 

大手宅配会社でのドライバー職や3PL事業などの現場を経験している大瀬社長。「物流の仕事が好きだが、業界から離れている間に現場ではネガティブな労働環境が深刻化しており、活気がなくなっていた」という。

そして、「ドライバーさんたちに現状をヒアリングし、自分でも勉強して、『非効率でアナログなやり方ではなく、システムを活用して物流の構造を土台から根こそぎ変えたい』という思いに至り、サポロジを設立した」

そんな同社長の思いが通じてか、「ドライバーさんから『運送のことがよくわかっているシステム』『ドライバーの気持ちをわかってくれている』との声をいただく」。今後は、ドライバーの評価機能を強化したり、現場の意見をシステムに反映させていくという。「日本の配送品質は非常に高い。正当な評価としてドライバーさんに還元できれば、さらなる向上につながるはず」とし、「品質が低い人を排除するのではなく、将来的には研修制度を設けるなどボトムアップを狙いたい」

現在は、九州・関西・関東を中心とした大都市圏にエリアを絞って提供している同サービスだが、「最終的には全国展開したい」と息を巻く大瀬社長。「業界の課題を解決していく中でも、業界の良い文化はしっかり残していくことで日本の物流をアップデートしたい」と語った。

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