建築業界から転職した三重県在住の40代の新人ドライバー。コロナの煽りで安定感を欠いたかつての仕事に区切りを付け、恩人を頼って運送業界の扉を叩いた。

初めて運転するトラックは4トン車だったが、それでもこれまで乗ってきた自動車との違いは明らか。「怖い気持ちはあるが、細心の注意を払って乗っている」と同ドライバーは話し、将来的な大型車等へのステップアップも見据える。

 

荷物を預かって届ける、というシンプルな過程でドライバーは、その間における大きな責任を負う。「一人での運転はストレスが少なそう」と安易な考えで転職してきた未経験者の一部では輸送を担う過程で感じるプレッシャーに耐えかねて退職するケースもよく聞く話だが、同ドライバーは違った。

「おもしろい」。

トラックドライバーの仕事へ対する印象をたずねられると、間髪入れずに返ってきた感想はそんな力強い一言。

理由をさらに聞くと「荷物を託されて、それを届ける『リレー感』がたまらない。『ありがとう』の言葉もうれしいし、とてもやりがいを感じる」と発言。仕事に臨むには自らの働きが社会でどのような役割を果たしているのかといった想像力がモチベーションを強める大きな要素となるが、「リレー感がたまらない」と語った同ドライバーのように、輸送を担うスタッフの多くで同様の思いが共有されれば、ドライバーという仕事は、より誇り高いものになっていくだろう。