「ここ何年も市内で花火大会が開催されていないのに加え、コロナ禍で自粛が続いている地域の子供たちに元気を届けたい」と凪秀樹氏(凪物流社長、岡山県岡山市中区)。会社設立から25年の節目となった昨年は顧客、地域への感謝を込めて会社単独で2000発を打ち上げたが、計10社の仲間が協力する格好になった今年はさらにスケールアップし、5000発の花火がこのほど岡山市街地の夜空を彩った。

「もともと打ち上げ花火は疫病退散の祈願が起源。暗いムードと一緒に新型コロナを吹き飛ばしたい」という同氏の思いに賛同する入倉栄作(西大寺運送社長、同東区)、矢吹兼将(矢吹海運社長、同南区)の両氏に加え、中堅ゼネコンや自動車販売など計10社の関係者で共催。今回もサプライズ企画として進めたものの、昨年と同じく「準備している様子が目に入ったのか情報が流れ、結構な人が来ていた」と凪氏。

5000発ということで打ち上げに30分程度は必要と想定していたが、警察署からは10分を目安とするようにとの注文が入ったらしく「終わってみれば10分ちょっとで5000発」と、絶え間なく夜空に咲く大輪に足を止める市民らも多かった様子。

市内では初めてという7号玉10発も含め、難しいとされる市街地に近い場所での打ち上げ。地元テレビなどの取材も受けたことで後日、「こんな花火は見たことがない」「夏の思い出になった」という感謝メールが会社に届いたという。

2年目となった一大イベントを終え、「この先も継続していきたい」という。県内には花火製造が1社しかないこともあり、「その火が消えては困る」と応援したい思いも明かす。来年の目標は「本来はサプライズ。どこまでシークレットにできるか…それに知恵を絞りたい」と笑う。

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