コンプライアンスが年々厳しくなってきている運送業界でドライバーの副業を認めるか悩んでいる大阪府の運送事業者。同社は、地場輸送をメインに固定給で事業展開しており、ドライバーが副業を黙って行っていることに頭を抱えている。

同社社長は、「正直コンプライアンスを意識するようになってからドライバーの給与は下がってしまった。今までは歩合給を採用し、頑張った分だけ反映していた。しかし、労働時間がどうしても長くなり、今後の働き方改革には対応できないと感じ、専属の仕事にシフトし、固定給で安定した生活をできるようにしたが、各家庭で色々な事情があり、現状の給与では足りないため、黙って副業しているドライバーも出てきている」と話す。

現状は大きな事故もなく事業を続けているという同社だが、今後、副業しているドライバーが事故を起こしてしまうと、どうなってしまうのかが心配だという。

同社長は、「稼いでもらいたいが、今の法律では稼がせることはできない。副業で疲れた社員が当社の勤務中に事故を起こせば、当然、こちらの責任になってしまう。仕事が終わってからの行動をすべて把握するのは難しい中で、今後どう対応していけばいいか非常に悩んでいる。副業を認めればドライバーも稼ぐことはできるが会社のリスクも大きくなる」とし、「今後、この業界がどうなっていくのかが心配でしかたがない」と嘆く。