【兵庫】7月28日に発生した熊本地震の被災地に向けて出発し、住民らが1日も早く日常生活を取り戻せるようにと支援活動を続けていた移動式のコンテナ・ランドリー車が【5日】、本拠地の養父市に帰還した。山本運輸(山本洋介社長)が3年前に製作したトレーラを活用した全国初の車両で、これまでも数回にわたって被災現場へ急行してきたが、先の熊本地震では国(内閣府防災)から直接の指示を受ける形での派遣となっていた。

8月13日からランドリーサービスを提供していたのは小川防災拠点センター(熊本県宇城市)。コンテナの内部には乾燥機能を備えた9基の洗濯機が設置されており、10月3日に支援活動を終了するまでの52日間の稼働は3718回で、延べ3000人が利用した。地元自治体の要望もあり、当初は設置期間が3か月ほどになることも想定していたが、水道などのインフラが早い段階で復旧した。

コンテナを引っ張るタンドラ(北米トヨタ製)のハンドルを握って8月12日に本社を出た山本社長は、9月中旬に5日間ほど帰社した以外は同避難所でランドリーの運営に当たった。「洗濯物をきれいにするというだけでなく、気分も楽になってもらいたかったので、心のケアというのか利用者と暮らしや仕事、家族のことなどいろんな話をした」。寝泊まりしていたタンドラの窓をコンコンとたたき、差し入れを持ってきてくれる人もいたという。

ランドリー車が本社に戻った翌日、齋藤元彦・兵庫県知事が同社を表敬訪問。「活動内容と現地の様子などを報告し、知事からは激励の言葉をいただいた」と社長。

一般貨物運送を主軸に倉庫、ゴムクローラー修理・販売、環境対策(林業・一般廃棄物収集運搬)、ライフスタイルの5部門を手掛ける同社で近年、特に事業拡充が顕著なのが移動式ランドリー車も所属するライフスタイル事業。全国各地で毎年のように大規模な自然災害が発生しており、「企業単体でやれることには限界があり、例えば自治体や企業と組み、万一の際に全国のどこでも、いち早く動けるような体制が整えば」との思いを口にする。