【評価制度設計編】109

「頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。

今号も前回に続き「評価制度設計編」として時間外上限規制(2024年問題)への給与設計面での対応について解説してまいります。(その4)

1.評価基準は実務的項目に
厚生労働省が公表している一般的な評価基準は情意項目として「積極性」「協調性」「規律性」「責任感」、能力項目として「知識」「技能」「報連相」「5S」「自己管理」、業績項目として「仕事の品質」「仕事の納期」「仕事の成果」などとされ、5段階で評定するものとなっていますが、このような抽象的な基準でドライバー職を評価することは難しいでしょう。評価者の主観で評点が左右される要素が大きいからです。

表で示しているように評価項目、基準を検討する場合に大切なのは、ドライバー業務に焦点を当てて「実務的項目」にすることが重要です。

2.ウェイト付け
次に、項目数や評点について、会社が求める基準の重要度に応じて「ウェイト付け」を行います。
「ウェイト付け」の方法としては、①一般項目は1~5までの5段階とし、重要項目(例:24年問題対応状況は1~10、事故発生の場合▲20とするなど)については点数配分を高めにする方法や、②すべて1~5として、別途「ウェイト」(例:点数合計にウェイトを設定し、合計点が100点になるようにする)を設定する方法があります。どの項目をどのようなウェイトにするかについては企業の裁量によります。

例えば、「デジタコ操作」や「24年問題対応状況」(時間外労働の時間数、拘束時間数など順守状況)について重視する場合には点数配分を1~10点などとする、といった方法が考えられます。クレームや事故発生時の減点については、ドライバー業務上、最も重要な事項であるため最大ウェイトでいいでしょう。

月の所定内手当として「無事故手当」を支給している場合、事故発生に伴い当月分は不支給として、さらに半年ごとの評価で減点すると二重懲罰になるから問題ではないか、という味方もありますが、安全運行は社会的使命ですので、手当や評価基準が文書化、周知されている場合には、一定許容されると考えます。