J―オイルミルズ(春山裕一郎社長、東京都中央区)は来年1月から、業務用油脂製品の賞味期限を「年月」表示へ変更、賞味期間も延長する。賞味期限の延長や「年月」表示は、2024年4月に家庭用食用油製品の変更で先立って行われており、業務用にも広げるものとなる。

 

同社は20年に持続可能な物流を目指し、社内に他部門連携ができるサステナビリティ委員会を設置。23年、そのなかに物流分科会を立ち上げ、持続可能な物流網を構築するため、政府のガイドラインを踏まえて自主行動計画を策定した。

 

執行役員でSCM統括部長の畑谷一美氏(写真左)と同統括部ロジスティクス部長の坪田勇文氏(同右)は、「外装はメーカーがこだわりを持って作成する商品の一部」といい、特に家庭用商品は、陳列した際に人目につきやすいカラフルでメッセージ性のある外装になっていた。

 

しかし、こだわった外装をデザインしたことで、現場でドライバーや荷物を扱う作業員が商品を探しにくかったり、間違えてしまうという課題もあったという。

 

そのため、他社の事例なども踏まえ、物流会社に伝える伝票と外装の名称・コードを完全一致させ、そして天面・側面へ一括表示を行った。

 

また、今回変更する業務用油脂製品の年月表記は、コロナ禍以降に卸から要請が届くようになった。外装の取り組みは、もともとはドライバーのためだったが、倉庫や量販店など幅広い人たちのためになっていった。

 

畑谷氏は「一言に外装の標準化というが、調整は大変」とし、「保存期間はもちろんのこと、年月表示にすることで8月が8月1日を指すのか31日末日を指すのか。そして、一品一品、賞味期限までのおいしさを担保しなくてはいけない」という。

 

業務用製品の年月表示への変更は賞味期限で区切り、賞味期限が1年未満のものは年月日のまま、1年以上のものは年月表記に順次変更していく。

 

同社は有姿品という外装がある油脂製品の輸送に限らず、工場から飼料を送る物流など多様な分野の改善に取り組む。畑谷氏は「自社でできることはやりつつ、商習慣や構造は社会全体で変えていかなくてはならない。持続可能な物流に荷主企業として関わっていく」と語った。

 

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