「経営者として影響を受けたのは日清食品創業者の安藤百福氏。窮地に立っても他者を優先し、強い責任感と商品開発への情熱に惹かれ、ずば抜けた集中力を研究に発揮した同氏に強く憧れる」と語るのは、福山通運(広島県福山市)の熊野弘幸新社長だ。28年ぶりのトップ交代となり6月に就任した同氏に、諸課題が山積するなか持続可能な物流の実現に必要なことは何かを聞いた。

 

 

熊野氏は2005年に福山通運に入社。これまで、特に労働環境の整備に力を入れてきた。19年に日曜日を完全休業とするなど働き方改革を進め、「いまは所定の有休取得率が年々向上している」と話す。

 

流通加工、国際、貸切と主要事業のなかでも注力するのが売り上げの8割を占め、全国391拠点で展開する運送事業だ。物流の2024年問題に直面してなお、荷主との立場に変化がないなど課題解決には時間がかかると見ているが、「近年は同業他社との協業を積極的に進め、弱いところを助けてもらい、強みを利用してもらう―この関係性を築くことで荷主に強固な輸送体制をアピールでき、環境負荷の低減にもつながる」と話す。

 

持続可能な物流を実現するためにも「輸送の効率化が最も重要と考える。全国の拠点で労働力不足に陥る前に、当社の弱みと強みをもっと理解しなければ。協業が輸送の効率化の実現に直結する」と力強い。


社長として目指すのは「私自身が社員を信じているが、社員にも私を信じてもらうこと」。そのために言行一致を心掛け、年長者への敬意を決して忘れない。また、今後の展開を考えるのに貴重な時間となる早朝は、小丸成洋会長や法之前会長に倣い、入社から朝5時台の出社を続けているという。

長きにわたり経営に携わる熊野氏の休日の朝は、お気に入りの報道番組を見て、ジムに行くこと。「夕方は妻とドライブがてら精肉の専門店へ。好物のステーキを食べて夜8時に寝る。朝早く出社するために自然と規則正しい生活になった」と笑顔で話す。

 

 

◎関連リンク→ 福山通運株式会社