はじめまして。安全会議(福岡市博多区)の森川美希です。

「安全対策はコスト。必要ではあるが利益を生むわけではない」と考えられている現場は少なくありません。実際に、安全対策が収益性に反映している実感を得られている運送事業者様もそう多くはないでしょう。もし安全対策によって収益が増えるとしたら見方が変わってきませんか?

 

弊社は「安全・事故予防」を軸に、組織の活性化を支援しています。今回は、実際に弊社がサポートした運送事業者様で、収益と安全の両立ができている事例を紹介します。

 

ある拠点では、高額な商品事故が年に10件弱発生していました。当然、ロスコストは増えますし、取引先からの信用低下、従業員のモチベーション低下など良いことはありません。そのような経緯もあり、重点的な安全活動と地道な改善活動をスタートさせました。

 

活動の核となったのは、運行管理者と配車担当による日々の対話です。帰社時間の異なるドライバー一人ひとりと向き合い、毎月のミーティングを通して、安全行動の理解と目標設定を重ねました。過去の事故を振り返り、「リスクを思い出す」仕組みを丁寧に繰り返したのです。

 

イラスト:ぞうむしプロ

 

同時に、顧客とも密に連携し、倉庫内の動線や荷物の配置、運行ルートを見直すなど、安全の共創にも注力しました。

 

その結果、商品事故はゼロに近づき、大幅なロスコスト削減を実現しました。事故が減れば、当然、利益は残ります。さらに「安全に強い会社」として新規顧客の信頼も得て、収益基盤も拡大。安全への投資が、結果として経営の安定と成長をもたらした事例でした。

 

安全はコストではなく、価値を生む戦略。収益と安全は、確かに両立できるのです。

 

今月もご安全に!!

「超安全選士ドライバン」

元トラックドライバーで漫画家のぞうむしプロが手掛けるイラスト漫画。交通と物流の安全を護るヒーローチームで、レッド、イエロー、ブルーの3人で構成され、事故防止や安全運行をテーマに啓蒙活動を展開している。

レッドはリーダーシップで安全を牽引、イエローは注意深さで危険を未然に防ぎ、ブルーは冷静な判断でスムーズな物流を支える。テクノロジーとチームワークで、安心・安全な未来を!