ダイセー倉庫運輸(田中毅社長、愛知県小牧市)は、ポリマー物流を担う「ジャスト便」事業の新拠点として整備を進めてきた「小牧第3物流センター(通称JILP)」の引き渡しを受け、5月20日に竣工神事と内覧会を実施した。

所在地は同市大字三ツ渕原新田。建物は2階建てで、保管面積は約9524坪、敷地面積は約9246坪。2階部分は移動ラック型の保管設備を備え、11型と14型の合計1万5676パレットの収納が可能となる。また、垂直搬送機8基、大型エレベーター1基(3.5トン)、ドックレベラー6基を設け、効率的な荷捌きを可能にした。

屋上には年間発電量212万kWhを見込む太陽光パネルを設置している。構内動線では、倉庫内と外周の2系統の一方通行ルートを採用し、車両の滞留や渋滞を防ぐ工夫も盛り込んだ。同社は7月のセンター本格稼働に向け、リフトやパレットの整備、システム構築を進め、小牧地区の在庫を最適化していく。

田中社長は「創業以来、先輩たちが一つひとつのオーダーを誠実に遂行し、信頼を積み重ねてきた歴史は、決して容易に築かれたものではない」と過去を振り返り、「JILPは物流環境の変化に対応し、人と環境に配慮した施設。お客様に選ばれ続ける『新しいジャスト便のスタンダード』を、社員・クルー全員で創造していきたい」と言葉に力を込める。

センター長を務める仙田将康氏も「取扱量の確保に加え、今後はソフト面の自動化にも注力していきたい」と意欲を示している。

周年記念の「夢頚龍」

センター事務所の玄関には、力強く躍動する龍の水墨画「夢頚龍」が来訪者の目を引く。制作を担ったのは、同岩倉市出身の水墨画家・山田大作氏。同社が創立50周年記念事業として依頼し、「10年で成長した青年の龍」として描かれた。

この龍は、創立40周年に造形作家の夢童由里子氏が手掛けたブロンズ像「夢勁龍」の精神を受け継ぐもの。勁(つよ)い龍には、折れずしなやかに未来へ挑む企業像が投影されている。𠮷田憲三会長は、「水墨画の龍はセンターの守り神。まだ叶えられていない大きな夢を見守っている」と語り、創業以来築いてきた信頼と成長への思いをにじませた。

JILPの本格稼働を機に、同社は次の50年に向けた飛躍を目指す構えだ。

 

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