ワークウェアの企画製造、販売を行うAsahicho(児玉賢士社長、広島県府中市)が、バッテリーやモーター不使用で、腕と腰を同時に補助するアシストスーツ「e.z.UP(イージーアップ)」を発売し2年半。製造・倉庫・農業の従事者に評価され始めており、7月からリニューアル版同「EZ102」の販売を始めている。

開発について、「ある調査では職業疾病の6割が腰痛。これを何とかしたいと考えた」と社長。職場の安全を提供するという同社の開発方針のもと、2015年に早稲田大学理工学術院の田中英一郎教授のグループと共同研究を開始し、一昨年1月に初代が完成。特許、意匠登録を済ませた。

特長は、背面の伸縮性のあるベルトと腕のゴムベルトが同時に、持ち上げ動作時の上体を補助する点。この時、腕と腰の筋肉に対して20~30%の負担軽減が可能だという。フレームを持たない構造のため、補助力は捻るなど左右非対称な動きにも柔軟に対応。また、補助力の調節も機械のような段階的な機構ではなく、使用者の身体に合わせて無段階に調節できる。

モーターで駆動するアシストスーツは5~8kgだが、同商品は740gと軽量。見た目は衣類に近く、着用時間は「ベルトなど自分用に調節済みなら約1分」とのこと。

今回刷新した「EZ102」は暑さ対策で生地をメッシュ素材に変更。袖口にベロを付け引っ張りやすくするなど、適正に着用するための仕組みも見直した。

刷新前は、HPや得意先など販路を限っていたが、今回、本格的な販売に移行した。試着用の貸与も可能だという。

高齢者や女性も多く働く物流業界。社長は「筋力に自信がない、腰に不安があるという人は、特に効果を感じてもらいやすいのでは」と話している。

◎関連リンク→ 株式会社Asahicho