「喜ばれることに喜びを」をスローガンに掲げるエフケイ(名古屋市中区)は、昨年11月に「運送会社M&Aドットコム」を開設。コンサルティング事業部の稲垣和也事業部長(写真右)は、「保険代理店として運送企業の企業経営に深く関わってきたノウハウやネットワークを活かしてフルサポートする。完全成功報酬制で、着手金や中間手数料などはいただかない。リーズナブルな料金体系で、企業の規模や事情によって柔軟に対応できる」と胸を張る。

同社は創業36年で、損保や生保などを取り扱ってきた。同事業部長は、「10年ほど前からM&Aのご相談が増え、個別に対応してきたが、4年前に部門を立ち上げ、本格的にM&Aアドバイザリー事業を開始した」と切り出す。「M&A仲介会社とは異なり、日頃から顧客とのお付き合いがあるため、事情やニーズを汲みやすい」と話す。

「M&Aは買収完了がゴールではなく、その後が本当のスタート。マッチングだけにとどまらず、財務・税務・法務・労務などの各専門家が一体となり、成就までトータルで手厚くサポートする」と説明。「売り手企業の内情を知らずに売買が成立すれば、後から問題に発展することもある。買い手も不愉快にならないよう、きちんと調査を行い、安心して利用いただけるよう努める」。

また、「小規模であったり、赤字や債務超過があっても柔軟に対応したい」と語るのは、同部でコンサルタントを務める田所誉教氏。「ご縁がないこともあるため、無理な囲い込みはしない。そういった点も大手仲介会社と一線を画しているのでは」と語る。

運送事業者のM&Aでは、同業者や倉庫などといった近い職種、ファンドなどが買い手になることも多いという。「売り手である関東の運送会社が売買にあたって高い条件を出していたが、中部地方の買い手がその条件を全て飲んで成立した案件があった。数年経った今も、子会社としてかなり好調と聞いている」と事例を紹介。他にも、「倉庫会社が自社で荷物を運びたいというケースもある」という。

 

「条件は厳しくても、買い手がほしいエリアなどで優位に働く場合がある。ぜひ相談してほしい」と呼びかける田所氏。稲垣事業部長は、「無茶な売買をせず、ウィンウィンな取引をお手伝いできれば」と語った。

 

◎関連リンク→ 運送会社M&Aドットコム