福井県坂井市に本社を構え、各種運送業務を主体に事業を展開する三国。およそ60年の歴史を数える同社で常務を務めるのは、福井ト協青年部会では前部会長でもあった坂本佳宏氏だ。

坂本氏は今から20年ほど前に外部での経験を積んだ後、同社へと入社。「人脈づくりを大切に」「なるべく早い段階で経営へ加わった方が良い」といった周囲の助言を実行に移して、業界の内外でネットワークを広げつつ、その後は安全管理部長を経て、2019年8月に常務へと就任。自社における堅実な経営を支えている。

同年から2年間、部会長を務めた福井ト協青年部会へはおよそ10年前に入会。「豪快な先輩方に刺激を受けながら、幅広い勉強をさせてもらった」と活動を振り返り、先輩会員が残した「部会内で役をこなすことが知識を深め、人脈を広げていく」との言葉の通りに実績を重ね、部会長を務めるまでに至った。

「部会や会員のことを、これまで以上に考えるようになった」。そんな心境の変化を実感して臨んだ2年間では、人とのつながりを一層、充実させた一方で、後半の1年はコロナ社会の影響を受けて消化不良の日々が続いた。坂本氏は、「会員の増加や外部での交流など、やり残したことはある」としながらも、就任1年目に大勢の子ども達の前で取り組んだドライバーをヒーローに見立てたイベントや、高校生向けに行った物流授業を印象的な動きとしてあげ、コーフク商運(同市)の今中悟央氏が部会長を引き継いだ。

この先の部会へ対しては、「難しい状況下ではあるが、積極的な行動が基軸である青年部会本来の姿を見失ってはいけない。コロナ禍においても創意工夫で行動し、さまざまなことへチャレンジする姿勢でいてほしい。知識は自分一人でも学べるが、人のつながりは機会を生かしてこそ。それができる青年部会という環境のありがたみを感じてほしい」と力を込めた。

物流業界に関しては、3年後の時間外労働規制を見据えた早い段階における準備の必要性に言及し、「今のうちから知識と会社を変化させる努力が求められる」と指摘する坂本氏。自社の今後については、「社名(三国)が地名(坂井市三国町)でもあるので、結びつきを含めて地元への貢献をより深めていきたい」と地域社会へ根差した前向きな経営のあり方に、思いを巡らせている。

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