国民民主党 榛葉幹事長「物流関係者に敬意」 暫定税率廃止し運転者の手取り増へ

ガソリン・軽油に過重に課税されている旧・暫定税率について国民民主党の榛葉賀津也幹事長は2月21日の記者会見で、「(給与が上がっていない物流業界の方々に)ガソリン(・軽油)で減税して、手取りを増やす」と述べた。旧・暫定税率廃止や所得税の「103万円の壁」引き上げを訴え一時はキャスティングボートを握った同党。トラック乗務員の手取り増の原資としても、旧・暫定税率廃止の必要性があることをあらためて訴えた形だ。
本紙は会見で、現下の物価高の一因が物流コスト上昇にあると言われる状況をふまえ、「物流費が下がれば大半の物価も下がるといわれる。物流費の約20%は軽油価格が反映しているが、軽油価格を下げる旧・暫定税率の廃止は物価高を抑制する側面を持つ。旧・暫定税率の廃止と物価高に関してどのように考えるか」と問うた。
榛葉氏は物流コスト上昇に関して、「トータルで上がっているのは海外から日本に来るまでの物流コスト。日本国内はほとんど同じ金額で歯を食いしばって頑張っている」とし、国内物流による価格転嫁が進んでいないとの認識を示した。
そのうえで榛葉氏は、「物流業界に携わっている方々は給与が上がっていない」とし、「それで物価は上がる。だからこそガソリン減税や『103万円の壁』で減税をして手取りを増やす」ことが必要との考えを示した。旧・暫定税率の廃止がトラック乗務員の手取り増の原資ともなりうるとも受け取れるもので、人手不足や原材料価格高騰にあえぐトラック運送業界からの注目もすでに上がっている。
榛葉氏の発言は次のとおり。
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まず、物流に携わってらっしゃる全ての関係者に心から敬意を表したいと思う。とりわけ2024年問題、トラックドライバーが足りない、ハンドルを持つ仕事が厳しい、人手がない、賃金が安いというなかでも、物流なくしてこの国の生活はない。テレビショッピングが盛んだが、必ず最後に商品を宣伝してにこやかに「金利手数料・送料無料」と言う。金利手数料は会社が負担すればいいが、しかし送料は無料じゃない。生身の人間が一生懸命頑張ってトラックでものを運んで、お届けしている。あたかもモノを運ぶお仕事が無料でもいいかのような印象を与えるCMはどうかなと、かねがね思っていた。
加えて一部で最近、物流コストが上がって物流会社や運転者さんが良い収入を揚げてるんじゃないかという声があるが、これも全く間違っている。トータルで上がっているのは海外から日本に来るまでの物流コストで、日本国内はほとんど同じ金額で歯を食いしばって頑張っている。日本全国が5%賃上げと言っているなかで、物流業界に携わっている方々は給与が上がっていない。ここをしっかり考えないといけないと思っている。それで物価は上がる。だからこそ、ガソリン減税や「103万円の壁」で減税をして手取りを増やす、経済を回す。そして安心して物流業界で働いてもらえるような環境を国がしっかりと責任をもって作っていかねばならないと思う。
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最近、街頭(演説)をやったりするとトラックの運転者さんやバスの運転者さんがクラクションを鳴らしてくれる。涙が出そうになる。頑張れと言っているんだと思う。深夜から早朝から頑張っていらっしゃる物流業界で働く皆さんのためにも、私はこの政策(旧・暫定税率の廃止)を推進していきたい。
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旧・暫定税率の廃止に関しては、与党との「3党合意」の履行には至らなかった。そうした状況も踏まえSNS上では会見での同氏の発言について「働く現場」の視点から賛同が数多く見られる。