アズミー(名古屋市中区)は、左巻き込み事故をAIで事前に予測し、警告する大型トラック用安全AIカメラシステム「ACSLー0003」を開発した。堀内雄一社長は、「レーダーではなくAIを搭載することで、歩行者や自転車、小型バイクなど動いている物や人を背景から見分けられる」と語る。

左側ミラーのブラケット部に取り付ける同製品は、組み込まれたAIが左側方のすり抜け・追い越しや急な割り込みを検知し、ブザー音、警告ランプ、モニター画面内の警告でドライバーに知らせるというもの。危険度は緑、黄、赤の3色で色分け。「モニターには巻き込みの危険性がある対象物の位置をわかりやすく表示し、自転車、歩行者、バイクなど、それぞれの挙動を予測する」。

AIの利点として、「センサータイプにありがちな、『頻繁に警告音が鳴る』状況を減らせる」点も挙げる。「接近するすべての物に反応するわけではなく、本当に危険な時だけ知らせるので、『オオカミ少年』のような事態は回避できるはず」。

同社長は、「小型で組み込み式のEmbedded AIを採用することで、コストを大幅に抑えた。価格は他社製品の5分の1から12分の1程度」と胸を張る。「取り付けには、特別な技術は不要で、大型車だけでなく、あらゆるトラックに搭載できる。将来的には、トレーラーにも対応したい」とも。

同社長は、「国交省の側方衝突警報装置の協定規則第151号により、新車には設置が義務付けられた。このようなシステムは今後、スタンダードになるのでは」と分析する。

今年7月には、日本自動車研究所(JARI)のテストコースで、自動車輸送を手がけるゼロ(川崎市幸区)の協力のもと試験を実施。「結果は、昼間・夜間ともに協定で規定されたテストを全てクリアし、アフターパーツでありながら必要な能力を備えていることを確認できた」という。

「安全運行のためにも、既存車両にも対策を」と呼びかける堀内社長。販売台数は3000台を目標に掲げ、「発売間もないが、大手だけでなく、その協力会社など、すでに多くの引き合いをいただいている」と嬉しい悲鳴をあげる。「新車への入れ替えがまだ数年かかるといった場合など、ドライバーさんを助ける手段として、活用いただきたい」と語る。

 

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