全日本建設交運一般労働組合(建交労、角田季代子中央執行委員長)は、中小トラックの経営者で構成する、建交労中央運輸労使協議会が行った「トラック運輸の取引動向に関するアンケート」をとりまとめ、3月9日に公表。このアンケート対象は全国の中小トラック事業の経営者。昨年は5月13日までで1041社の回答を得たが、今回とりまとめたのは3日までに回答した966社(一部未回収)。

全体的な結果としては「トラック産業は経営環境が悪化」の傾向にあり、主な収益悪化の要因は「仕事量の減少」との回答が68.8%(前年は31.2%)と約7割を占めた。次は「賃金など労務コスト増」で53.6%ながら、昨年の69.1%に比べて比率は下がり、「燃料などのコスト増」も34.1%(前年は73.1%)と比率は落ちたが、「運賃下落」が経営悪化の要因との回答13.7%で前年の9.2%を上回った。

さらに運賃動向では、「運賃が上がった」と回答した企業は15.6%で、昨年(33.4%)の半数以下となり、「運賃が下落」は昨年(8.5%)の3倍にもおよぶ24.4%で、新型コロナウイルスの影響により、運賃の悪化と仕事量の減少が顕著で経営を圧迫していることが明らかになった。建交労では「運賃に関して、全国集計を開始した2016年以降、着実に上昇の傾向であったものが一転して厳しい状況が示された」と述べる。

また、賃金の原資となる運賃交渉関連では「運賃の告示制度」について「活用する」が50.9%で「活用しない」23.5%を大きく上回ったものの、経営の改善策では「荷主に対し運賃引き上げ交渉を行った」の回答は53.8%(前年70.2%)で昨年を下回った。しかし建交労では「その他の設問に対する回答を含めて、回答の傾向は昨年から経営環境の悪化が顕著となっているものの、他方、経営対策として『雇用調整助成金等の活用』した企業が昨年より大幅に増加していることは、雇用確保への企業努力が行われていることの表れ」と話す。

このほか、「ドライバー不足」については、人手不足感のある企業が61.1%(前年79.8%)となり、これは同設問開始以降、もっとも低い比率。仕事量の減少が要因と推測される一方、その対応策として「賃金労働条件の改善」をあげた企業は54.5%(前年55.8%)で、「労働者数の現状にあわせた事業を行う」の28.1%(前年29.7%)を大きく上回った。

 

建交労では「引き続き『賃金労働条件の改善』を図らなければ担い手の確保が困難で、人手不足の現状を打開できないことを表している」とし「賃金・労働条件の改善はトラック産業の健全な発展と経営改善にも最も必要な課題であると読み取れる」と分析した。

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