野々市運輸機工 支持集める動画配信 有効なPRツールとして機能
「コストもかけられないので、体を張るしかないと思った」。YouTubeやTikTokで展開する動画チャンネル「あきら社長とゆかいな仲間たち」開設のきっかけをそう語るのは野々市運輸機工(石川県金沢市)の吉田章社長。現在、動画の視聴を通した20代の求人応募が続いているという同社の近況も、元をたどれば限られたリソース内でいかに自社の発信力を高めていくかという模索の日々が原点だったという。
新卒採用に力を入れたいとその動きをスタートさせたのが2021年頃。就職フェア等における大手企業の圧倒的なPR力や福利厚生を目の当たりにして「これは勝てない」と規模の差を痛感したが、視点を変えてターゲットとする学生層へ直接のアプローチができないかとリサーチをすすめ、その過程で導き出したのがスマートフォンを通して頻繁に視聴されていたショート動画の活用だった。
最初は手順も分からずノウハウを外部から吸収したが、やがてそれらを実践していくなかで内製化をすすめ、自前による動画配信業務を確立。冒頭における言葉の通り吉田社長自らが体を張るシーンも多く見られる動画は徐々に支持を集め、今では採用面での効果だけでなく自社の社風や雰囲気をわかりやすく伝えるための有効なツールとして機能している。
動画制作に関しては今年の4月から新たな動きとして、新卒採用の井上珠唯(みゆう)さんを担当に抜擢。同社でのアルバイト時代に手掛けた動画が大きな反響を呼んだことが要因となったが、吉田社長はターゲット層に近い感覚を持つ井上さんをまさに適役と認識しており、その活躍に期待を寄せる。
井上さん制作の動画には多くの社内スタッフが登場し、良好な協力関係の構築やコミュニケーションの向上を促進。さらに動画視聴を通じて応募者が増える一方で社内の様子をしっかりと伝える内容は入社後のミスマッチ予防にもつながっている。
また、吉田社長はX(旧Twitter)での投稿を活発化させており、自身のネットワーク拡大やメディアからの取材要請といった動きに発展。他にも地元大学における講義活動やデザイナーとコラボした新たなブランディング戦略など複数の実践とアイデアを並行させており、今後の動向が注目される。
◎関連リンク→ 野々市運輸機工株式会社
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