皆さん、日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長の上西一美です。ここ最近、タクシー会社で発生している健康起因の事故について、非常に気になっています。都内で起きた事故も北九州で起きた事故も、比較的、高齢の運転者の事故で、タクシー会社の高齢化が、また問題になりそうです。

タクシー会社での運転者の平均年齢は60歳前後と非常に高齢化が進んでいます。そこで問題になってくるのは健康起因による事故ですが、このような事故は「どのように防止すれば良いのか」悩むところではあります。

もちろん、健康診断と2次検診の実施は当然ですが、それだけではこのような事故は防止できないような気がします。

管理者の方は、点呼などで、より注意深く運転者の様子を観察し、時には出庫を止めるぐらいの気持ちで臨むことも必要ではないでしょうか。

さらに、「このような事故は高齢者だけなのか?」というと、そうでもない気がします。もちろん、高齢化に伴い確率は上がるのですが、比較的、若い運転者による健康起因の事故も発生しているのも事実です。よって、点呼者は、「若いから大丈夫」という思い込みで見るのではなく、点呼時に注意深く観察する必要があると思います。

これからは寒くなり、室内と室外の温度差が大きくなる季節です。運転者の少しの変化も、点呼時に積極的に会話することで見逃さないようにして下さい!