デジロジ(戸村徹平社長、神奈川県秦野市)は、「新しいスタイルの運送会社」を標榜し、今年2月に設立された。ドライバーの教育などを担当する麻生よう子専務は、これまでドライバーや運行管理など運送業の実務を経験。前職ではドライバーの教育トレーニングも担当してきた。戸村社長の持つコネクションと麻生専務の持つ実務経験の双方を生かすことができるビジネスとして選んだのが運送業だった。

ドライバーはもちろん、YouTuberや動画編集者、デザイナー、イラストレーター、プログラマーなど運転以外の業務もこなせる社員が所属している。同社の広報を担当する大村勇一郎さんは現役のドライバーであり、チャンネル登録者数7500人を超えるYouTuber。トラックドライバーとしての日々を配信し人気を博している。

同社のユニークさは採用面にも表れている。一部求人媒体も利用しているものの、求人の中心となっているのはSNSなどのウェブ。単なるコスト削減ではなく、業界未経験者にアプローチすることがねらいだ。麻生専務は「既存の方法では既存の人しか集まらない」と指摘する。広報担当の大村さんのYoutubeチャンネルでは、社員を募集するライブ配信を実施。仕事の内容や条件など大村さんが質問に回答した。SNS中心の求人は功を奏し、募集を開始してから1か月ほどで30人を超える応募があった。応募者は経験者と未経験者が半々ほど、北は東北から南は九州まで幅広い地域から応募があったという。

同社では、未経験者の採用に特に力を入れている。経験者の奪い合いでは大会社に勝つことは難しい上、同社が求める人材像に合致しないことも少なくない。「あちこちの会社を渡り歩く人材はそれなり。そういう人材は採用したくない」と麻生専務。

前職でドライバーの教育を担当してきたが、未経験者の方がしっかりと話を聞くので吸収が早く、伸びるというケースを多く見てきた。新人の指導については、実車はもちろんのこと、PCソフトによるシミュレーターも積極的に活用していく予定。業界の慣習にとらわれない新しい手法で事業を展開していく方針だ。

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