「トラック業界を将来の就職の選択肢にしてほしい」と広島ト協が実施する出前講座「トラック業界イメージアップ体験スクール」。2年目の今年はコロナ禍で当初予定していた県内5つのエリアでの開催は実現しなかったものの2校で開講。このほど実施後に行ったアンケート結果が公表された。

開催校は県立西条農業高校、尾道高校で、回答数は男性201人、女性100人(無回答2人)。いずれも選択回答式のアンケートを行った。

出前講座を受けて業界で働きたいと思ったかを尋ねたところ「非常に思う(4.0%)」と「思う(41.1%)」が昨年から計10ポイント増加した。主な理由は「運転に興味がある」「身近に感じた」「大切な仕事とわかった」など。反対意見では「他に夢がある」「車に興味がない」「責任が重すぎる」などがあった。

働くうえで重視することは昨年と同じ結果となり、「給料」「休日」「やりがい」「将来性」「福利厚生」「経営理念」の順だった。

ドライバーに対するイメージも前年同様の結果で、プラスイメージが約45%、マイナスイメージが約55%だった。プラスイメージの最多は「いろいろな所へ行ける(17.5%)」で、当日視聴した中ト協が制作した若年向け業界PR動画や、会員事業者による業務説明の影響があったとも考えられる。マイナスイメージの最多は「長時間労働(21.4%)」だった。

平成30年の西日本豪雨の際、緊急物資輸送などの支援活動をしたことを知っているかについて聞くと、18.5%が「知っていた」と回答。昨年から約2ポイント減ったものの、災害復旧にあたるトラックの姿が印象に残っている生徒が少なくないという結果に。

なお、自由記述で業界への意見・要望を求めた設問では、「具体的な労働条件を知りたい」「トラック運送のPRをもっとした方がいい」「車両の種類が豊富なので、いろいろな場で触れられる機会を作ると良い」「事業者のおかげで安定した生活ができ感謝しかない」「トラックに絵を描くと子供の目にも留まる」「給料を高くする」「あおり運転はしないでください」「人のための仕事」などと高校生の生きた声が多く寄せられた。

広ト協は来年度も同事業を継続する予定だ。コロナ禍が続き学校との調整が難しいが、複数の高校で開講を検討している。