ドライバー不足への対策として、今後は好むと好まざるにかかわらず、外国人に頼らざるを得ない可能性が高まっている。日本では少子高齢化による慢性的な人材不足でトラックドライバーの高齢化が進み、20~30代が占める割合も減少傾向。鉄道貨物協会の調べでは、2028年度にはドライバーが27.8万人も不足すると予測されており、外国人労働力なしでは成り立たなくなるため、速やかに対策を講じる必要がある。

 

「ミャンマーは日本の救世主になる」。そう語るのは、5000人以上の人材送り出し実績を誇る「ミャンマー・ユニティ」グループの北中彰CEOだ。「日本は『先進国で最も給料が安い国』と言われており、外国人が働きに行きたい国ではなくなっているが、ミャンマーは別。日本で働きたい人が当社だけで1万人以上が在籍している」という。

 

北中氏は、「外国人の就労が認められる在留資格は、『技能実習』『特定技能1号』『特定技能2号』の3段階構造になっており、ドライバーは『特定技能1号』に追加される見通し」と説明。「この特定技能は技能実習とは異なり、転職の制限がない。転職されるのを防ぐためにも、月給は最低でも25万円以上は必要ではないか」と推測する。

 

ドライバーとしてミャンマー人を迎える場合、同社が想定しているフローでは、ミャンマー国内で運転免許と日本語評価試験、技能評価試験に合格した人材を日本企業に紹介し、オンラインもしくは現地で面接を実施。内定が出た後は、入国手続きをおよそ6か月程度かけて行う。

 

同氏は、「ミャンマーでは運転免許を3000円ほどで取得でき、3か月経過すれば日本の免許への書き換えが行える」とし、「訪日後に働きながら免許を取得するよりも、自国内で運転免許を取得し、書き換える方が金額的にもベター」と勧める。

 

一方、倉庫業での受け入れは1年間の「技能実習」となる。「ドライバーを特定技能で受け入れる場合、先に倉庫で1年間の技能実習するのが現実的な提案としてお勧めしたい」

「ミャンマーは世界一、日本への就労希望者が多い国と言われている。これは文化的な要因に加え、クーデター以来、国内情勢が非常に不安定なことも背景にある」と説明。「国民のほとんどが敬虔な仏教徒で、『現世で徳を積む』という考え方のもと、生活している。このため、犯罪が少なく、顧客の荷物を預かる運送・倉庫業に向いているのでは」と分析する。さらに、「純粋で、勤勉・真面目、控え目な性格の人が多い。言語も日本語と文法が似ていて馴染みやすいはず」とも。

 

「外国人労働者は、『ミャンマーが最後の砦』とも言われている。現状、送り出し国はベトナムが1位だが、10年後にはミャンマーが取って代わるのでは」と明かす北中CEO。「日本の今の人手不足はまだ序の口。採用難の業種は速やかに対処すべき」と語気を強める。

 

◎関連リンク→ ミャンマー・ユニティ