ウイングアーク1st(東京都港区)は、データの活用と業務効率化で収益アップを支援するトラック運送業向けクラウドサービス「IKZO」を発表した。物流DX企画部の加藤由貢部長は、「これまでの働き方をあまり変えずにデジタル化できる」と説明する。前職で18年間、物流業務に携わった経験を持つという同部長は、「業界にお世話になった恩返しがしたい」と、開発にかける思いを語る。

5月にリリースされた「IKZOアナリティクス」は、運送事業者が「自ら継続的に収益構造の改善につながる環境を実現する」ことを目指し、配車データを含む受発注データ、デジタコデータ、原価・コストデータや勤怠情報などの各データをピンポイントで可視化するとともに、売上、原価、利益なども一元で管理。「非効率な運営・運行を発見し、配車改善の結果をモニタリングできる」という。

営業所や部署ごとに形式が異なるバラバラのデータも統一。「荷主のために部分的にシステムを導入されているユーザーも多い。Excelやシステムはそのまま継続してお使いいただけるため、大幅な業務の変更は必要ない」という。

同部の大嶋誉也氏は、「トラック1台、またはドライバー1人あたりの収支・稼働率など、生産性向上に関わるデータが簡単に可視化できる」と説明する。

また、「ドライバーの拘束時間や休息時間などの管理で苦労されるユーザーが多いことから、カレンダー形式で週ごと、月ごとに稼働時間を確認できる機能も搭載した」という。「デジタコはほとんどの機種と連携でき、走行や休憩などの状態も一目でわかる」。

「請求書や支払い明細書などの発行作業がボタン一つで完了し、配車担当者や経理担当者の作業負荷を軽減できる」とも。「導入したが使いこなせないという事態を防ぐため、定着まで運用をサポートする。『売って終わり』ではなく、場合によっては訪問など、ユーザーに寄り添って、『脱・コンピューター屋さん』を目指している」。

今夏には、配車システム「IKZO WEB」もリリース予定。「配車業務の俗人化をなくし、トラックと人の稼働率を向上させる」とし、「同アナリティクス」との両輪で事業者の経営をサポートする予定だ。

 

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