赤帽 川井博義会長 「若い人にも仕事を任せる機会を」
全国都道府県の赤帽各組合をまとめて運営する全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会の会長が、この3月に交代した。18年間会長を務めた小林則夫会長に代わり新会長に就任したのは、赤帽滋賀県軽自動車運送協同組合の川井博義理事長で、両団体の代表を兼任する。
川井会長が赤帽の仕事を始めたのは24歳。当時、特定の仕事を持っていなかったが、結婚を機にちゃんとした仕事に就こうというときに赤帽を知り、心が動いた。「赤帽を始めて3年目の27歳で赤帽滋賀県の組合の理事になった」。その後、30歳で副理事長、33歳で理事長に就任。「赤帽の全国の組合の理事長の中で一番若かった」という。「理事長就任当時、組合の経営は大赤字だった。立て直すために自分の会社より組合の仕事を優先して無給状態で働き、3~4年で黒字転換することができた」と当時を振り返る。
「組合が潤えば組合員にも利益を還元できる。お金は力。しっかり儲けて利益が出れば、気持ちにも余裕ができて、また次へのチャレンジの力が湧いてくる」
組合でも利益が出るようになってからは「資産を残すため、組合本部の事務所を建て、その後、支部の事務所も建てた。そのための借金も精力的に返済し、リーマン・ショックが起きる直前にすべて返し終わった。この借金はすべて自分が保証人になっていたので、本当にほっとした」と笑う。
「赤帽は個人事業主の集まりだが、組合は、その個人事業主を社員とした会社のような存在かと。組合を自分の会社と思えば、会社を成長させるために必死に働く。社員(組合員)に少しでも良い仕事をまわして働いていただき、多くの報酬を支払いたい。組合でドンと儲けて組合員にも組合の運営者にもドンと利益を渡し、組合員のための色々なこともする。だからまた頑張って利益を上げる。良いスパイラルが起きる。これに皆が賛同してくれて、これまで31年間やってきた」
そして「何かを決めるときはまず、自分の考えを話して皆さんの考えを聞く。そして有用な意見や提案をしてくれた人には、その実行を任せるようにする。そうして若い人にも仕事を任せる機会をつくり、組合を大きく良くするのはすべて組合員次第と言ってきた。今では滋賀の組合員一人一人がその精神を理解してくれていると思っている」
(後編に続く)
◎関連リンク→ 全国赤帽軽自動車運送事業協同組合連合会
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