タイミー(小川嶺社長、東京都港区)はこのほど、事業戦略発表会を開催。新規事業「タイミーキャリアプラス」を同日から開始することを発表した。

同社が展開するスキマバイトサービス「タイミー」は、累計ワーカー数が700万人、事業者数は9万8000を突破し、2018年8月のサービス開始以来、着実にシェアを拡大。物流業界でも軽作業系を中心に普及が進んでいる。

今回発表した新規事業は、正社員としての長期就業を支援するサービス。希望するワーカーに対し、「資格や経験などの有無に関わらず、挑戦したい仕事ができるようになる機会を提供する」(小川社長)。具体的には、キャリア相談や、資格や免許、スキルの取得を目的としたリスキリング講座の受講が可能だという。

昨年11月から開始した「バッジ機能」を活用する。同機能は、働き手のスキルや勤務実績を可視化するもので、すでに96万個のバッジが付与されている。同社長は、「当日まで『どんな人が来るかわからない』という不安を抱くのではなく、バッジを確認することで『しっかり活躍してくれる人が来てくれる』というフェーズへとスキマバイトが進化している」と、同社の持つアセットの価値を説明する。

バッジによって「履歴書や面接では表すことのできない、地道な努力や頑張り」が可視化されることで、「資格やスキルがないために自信を持てず、定職に就くことを断念してしまっている」働き手と、「未経験者を採用したいが、自社で育成する余裕がない」事業者を結びつける。

「タイミー」の仕組みを活用した入社前の「体験勤務」も用意。同社長は、「新卒市場にはインターン制度があるが、転職市場にはなかなかない」とし、「現場で実際に働いてみて、仕事の内容や雰囲気を理解した上で意思決定ができる」とその意義を説明。入社後のミスマッチを防ぐことができ、利用企業側にとってもメリットは大きいと言える。

同サービスの利用企業として、物流業界からは日通の岡本俊一京都支店長が登壇。同支店には、タイミーで何度か稼働した後に社員登用となった人材がすでにいるという。同支店長は、「ワーカー側も『いい会社だ』と思ってくれていたようで、いいマッチングだった。勤務経験があり、仕事が分かっているのは良い」と評価。「業界に限らずいろいろな職歴を持つ方だったが、その知恵を生かしてもらいたい」と期待を寄せる。

同サービスに対しては、「当社の課題はドライバー不足。まずは倉庫内作業やリフトマンとして入ってもらい、社員への登用後、適性のある人にはドライバーになってもらうというルートもある。まずは働き手の分母を増やすのに有効」と展望する。

「タイミーキャリアプラス」は完全成果報酬型で、求人掲載や候補者の紹介は無料。利用料金は、入社1人あたり理論年収の30%(税抜き)。まずは、すでに「タイミー」を利用している事業者を中心に導入を促していく。小川社長は、「人材を求めている企業はたくさんある。新サービスを通じて、さらに『タイミー』の利用価値を高めていく」と語った。

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