自動運転トラックが普及するとドライバーは将来どうなるのか
- この記事の要約
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「自動運転トラックが普及するとドライバーは将来どうなるのか」
政府は自動運転技術の推進に力を入れており、2025年までに全都道府県でレベル4の自動運転を進める計画です。レベル4は特定の条件下で車が完全に自動運転する技術で、物流分野でも検討が進められています。
政府の計画では、10年以内に自動運転車両専用の物流道路を作り、東京~大阪間で貨物を運ぶことを目指しています。これにより、多くのトラックが不要になり、運転手不足の解消を目指しています。
一方、高速道路での自動運転が成功していますが、一般道での運用にはまだ課題が多く残っています。自動運転トラックが普及すると、長距離輸送の多くは自動運転に置き換わるでしょうが、近距離配送は当面の間トラックドライバーが必要です。
将来的には、ドライバーの役割は自動運転トラックの監視や管理に変わり、仕事の内容も変わるでしょう。しかし、完全にドライバーの仕事がなくなるわけではありません。働き方が変わるだけで、依然として重要な役割を果たすことが期待されます。
皆さんは今、国が自動運転の推進に注力していることをご存じだと思います。
先日の「デジタル行財政改革会議」において、レベル4の自動運転を2025年度までに全都道府県で推進することが決まり、自動運転に必要な審査期間も大幅に短縮することになりました。
レベル4とは場所や天候、速度など特定の条件下で車の自動運転システムがドライバーに替わり全ての運転を行うことです。乗用車やバス等で先行している自動運転システムですが、物流の分野でも現在検討が進められています。
政府が2024年2月16日に発表した「2030年に向けた政府の中長期計画」の中で、「自動物流道路の構築を10年で実現を目指す」としています。
自動物流道路とは、道路空間を利用した人手によらない物流システムであり、高速道路網などに自動運転車両だけで貨物を運ぶ物流専用インフラを構築することです。当面、東京~大阪間での実現を目指し、物流量の26%を自動物流道路に転換する計画です。これにより2万~3万台のトラック交通量が削減できると想定しています。
一方、トラックメーカーやトラック関連IT企業による実証実験も行われており、2023年には東名高速道路および新東名高速道路において大型トラックによるレベル4相当の実証実験に成功しています。
このように政府が物流分野での自動運転実現に取り組む背景には、ドライバーの不足と2024年問題による労働時間規制があります。さらに物流量の増加に向けて、より革新的な物流効率化が必須であることが背景にあります。
そうなると将来、物流分野で自動運転トラックの運用が実現した場合、トラックドライバーはどうなるのかが大変気になるところです。
自動運転トラックが人材不足の解消を目指している以上、自動運転トラックの普及により当然ドライバーの必要数は減少する見込みです。但し、前述したとおり、自動物流道路の構築は早くて10年後であり、かつ主に高速道路における施策となるため、一般道における自動運転トラックの運用はその先になる見込みです。
また、現状の計画では、自動物流道路に設置される積み降ろし拠点で、トラックからの荷卸し、カートへの荷積み、カートからの荷卸し、仕分け、トラックへの荷積みという作業が発生し、その過程についても自動化を想定していますが、複雑な荷の種類や荷扱いの違い等に対し、全く人手なしで完結できるシステムが構築できるのか、まだ課題が多く残っています。
これらの課題が解決し、仮に10~15年後頃に自動運転トラックが物流の主流になる時代が到来した場合は、現在の長距離輸送トラックの多くは自動物流道路を利用した自動運転トラックに徐々に置き換わっていくでしょう。
一方、主に一般道を走行する近距離配送については、当分の間、トラックドライバーが運搬を担うことになり、長距離ドライバーの多くは地場中心の仕事に移行していくことになるでしょう。なお配送ロボットやドローンなどの技術が進展し、インフラや法的な環境整備が進めば、一般道における配送に関しても将来、自動運転に置き換わる可能性があります。
トラックドライバーは15年後頃から働き方が大きく変化し、自動運転トラックへの同乗管理又は遠隔からの監視・管理にシフトする可能性があります。この役割は自動運行従事者と呼ばれ、運転操作を行わない安全運行の管理を中心に行う業務となります。
いずれにしても自動運転トラックが全国的に普及するのはインフラ等が整備された後であり、さらに自動運転に切り替わった後もドライバーの仕事がなくなることはなく、仕事の内容や役割が変化していくものと予想されます。
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