【給与DX編】㊹

「コロナ禍で頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで新型コロナウイルス影響の下で「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。

前号に続き「給与DX」をテーマに運送業経営者が知っておくべき事項について解説してまいります(その3)。

1.デジタコの必要性
給与計算に必要な情報・データとして①時間系データと②出来高系データの大きく2種類のデータが必要になります。
①時間系データ(時間外労働時間数、深夜労働時間数、休日労働時間数)は「デジタコ」から取得することが効率的です。2023年4月の月60時間超割増率引き上げ、2024年4月の時間外労働上限規制への対応としても対応が急務になっています。

デジタコは本来、改善基準告示に定められている「拘束時間」「休息時間」「連続運転時間」などの把握を主目的として設置が進められていましたが、2023年、2024年の時間規制関連の法改正を契機として、「労働時間」の把握機能が求められるようになってきました。

2.デジタコを給与計算に活用
車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上の事業用トラックに「タコグラフ」の設置義務があり、「給与DX」を進めて行くならば「アナタコ」ではなく「デジタコ」が必要となってきています。記録紙方式の「アナタコ」ではデータ出力ができないからです。改善基準告示で定められている「拘束時間」は出庫のアルコールチェックから帰庫のアルコールチェックの間を捉えることが必要ですが、時間外法規制への対応に必要な「労働時間」に関しては「休憩時間」の把握が必要であり、かつドライバーの「休憩時間」は労働基準法で「分単位」で捉えることが義務付けられているため「アナタコ」では時間外法規制への対応に限界があるからです。正確な労働時間の把握ができないと正確な給与計算を行うことができません。