「40周年、50周年を迎えられる企業にしていきたい」と話すのは、4月から東罐ロジテック(東京都品川区)の8代目社長に就任した川合秀治社長。

倉庫会社勤務を経て、2003年に入社した川合社長は、現場営業からスタート、その後、顧客への提案営業、コンサルなど、主に営業畑を歩んできたという。

2005年には営業部長に、2016年には取締役に就任、営業・運行管理・総務全般を任される。さらにその2年後の2018年には常務取締役に就任し、ロジスティクス改革推進を担当する。同社は東洋製罐グループとして、包装容器物流を軸に展開している。

2024年問題が広く取り上げられるようになり、同社の親会社も物流に積極的に関心を寄せるようになった。グループ内で小口配送を得意とした同社の業務には、手積み手下ろしの作業が少なくない。労働時間の改善には、こうした作業の効率化が求められているのも事実で、同社では、顧客の理解を得ながらパレット輸送への切り替えを進めている。「ホワイト物流を推進していく中で、パレット輸送への切り替えは必須で、顧客の物流への関心が高まっている今、絶好の機会でもある」と同社長は指摘する。

営業に長く携わってきた同社長には、物流業はサービス業との考えが染みついている。サービス業であるならば、顧客を安心させることは当たり前。必然的に安全への取り組みに力が注がれる。同社長によると、幸いにも創業以来、重大事故は発生させていないという。ただ、取り巻く環境は厳しさを増しており、業界全体での労働時間の削減で、物流サービスが滞る危険性も指摘されている。

そのため、同社長は、「まずはグループの物流に軸足を置いて、グループの荷物をしっかりと運びきる体制を構築したい」と当面の取り組みを話す。その上で、「中を落ち着けたら、外販にも打って出たい」という。

今まで培った包装容器の物流品質を武器に展開したいという同社長。「現状維持では会社の成長はなくなる」と危機感を持っている。外販への展開は、そうしたリスクをヘッジし、さらなる事業発展を目指すためだ。

今年12月に創立30周年を迎える同社にあって、8代目として同社のトップに就任した。「社長になって改めて覚悟と責任を自覚した」という同社長は、「自身に与えられた任務を、信念をもってやり遂げていきたい」と抱負を語る。

◎関連リンク→ 東罐ロジテック株式会社