運輸労連 中央委員会「賃上げ率は28年ぶりに5%程度」
全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連、難波淳介中央執行委員長)は1月26日、大崎ブライトコアホール(東京都品川区)で「中央委員会」を、リモートでの参加も併用して開催した。
開会にあたり、難波中央執行委員長は交通安全の報告と防災・減災の取り組みについて話した後、2023年春闘で求める賃上げでは、「底上げ、底支え、格差是正の取り組み強化を促す観点と、すべての働く人の生活を持続的に維持・向上させる転換点とするマクロの観点から、賃金改善・ベア分を3%程度し、定昇相当分を含む賃上げ率は28年ぶりに5%程度とした」と説明。
また、トラック運輸産業をめぐる4つの現状認識として「長時間労働と健康被害」「労働時間改善の歴史」「価格転嫁」「標準的な運賃」を取り上げ、長時間労働に起因する脳・心臓疾患や過労死をはじめとする健康被害の発生状況、今回の改善基準告示の改正で年間の拘束時間が原則3300時間になるまでの歴史、原材料の高騰で上昇したコストの価格転嫁率が最も低いトラック運送という現状とトラック運送業界の多重構造の課題、届け出が進まない標準的運賃と時限措置期限までの切迫した状況について語った。
運輸労連の「2023年春季生活闘争」については、冒頭の説明通り、賃金引上げ要求5.5%、1万3700円を中心に要求。「定期昇給相当分1.5%に産業間格差是正と物価上昇分を含めて4%の計5.5%だ。先ずはこの物価高で厳しくなっている生活対策としての経済闘争に集中する」と話し「時間外労働の上限規制が始まり、改善基準告示拘束時間の縮減が始まり、長時間労働の縮減で労働環境の改善が始まろうとしている。だが、現下のような労働時間の長さで賃金水準が維持される賃金制度を続けていれば、労働時間短縮で賃金水準も下がり産業の魅力度は今以上に下がってしまう」と話した。
そして「人財不足が顕在化するトラック運輸産業も適正運賃の収受など賃上げ原資確保への努力を続けながら、23春闘で掲げた要求水準をこの先も暫くは維持し、継続して要求していくことが重要。労使がしっかりと話し合う先に、私たちの賃金労働条件の引き上げを実現し、他産業へ流れ出ている人財流出の傾向にクサビを打ち、2024問題を解決していこう」と述べた。
議事は、「活動経過の報告」および「2023年春季生活闘争方針」の提案とそれに対する質疑・討論・採択が行われ、賛成多数で採択された。このほか「第20回統一地方選挙必勝決議」も「構築しよう! 産業価値に見合った賃金労働条件、進めよう! 物流諸課題に対応する産業政策、めざそう! 若者が夢と誇りを持てる魅力ある産業」のスローガンと共に提案通り採択された。最後に全員で力強く「団結ガンバロー」を三唱し、閉幕した。
◎関連リンク→ 全日本運輸産業労働組合連合会
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