日本システムウエア(NSW、東京都渋谷区)はこのほど、ゼブラ・テクノロジーズ社(米イリノイ州)が展開するIoT温度センサーを活用したIoT温度管理ソリューション「Temptime」の提供を開始した。Bluetoothを搭載しており、スマホやタブレットからリアルタイムで温度を監視できる。

 

取得したデータは、「EDGEVue」で確認・分析でき、レポートも自動生成される。データは蓄積され、位置情報と連動してログとして保存。クラウドファウンデーション部長の小林宏充氏は、「食品輸送では、HACCPに適合した衛生管理が義務付けられ、医薬品輸送では、GDPガイドラインに従った厳格な温度管理が求められている」とし、「当システムではそれを実現できる」と胸を張る。

 

「従来の『温度を目視で確認し、紙に判を押す』というようなアナログ対応では、転記ミスや漏れが発生する恐れがある。証拠能力も乏しく、ドライバーさんや作業員の負担になっていた」と指摘する同部長。「他社製品はUSBタイプが多く、後から確認するにとどまるが、本来は何か異常があればその場ですぐに対応すべき。当システムでは、負担軽減はもちろん、品質向上にも寄与できる」。

 

 

センサーは使い捨てタイプの「Sー400」(写真上)と、バッテリー交換式の「Mー300」(同下)、「Mー300P」の3種類をラインアップ。「Sー400」はマイナス30℃からプラス70℃、「Mー300」はマイナス40℃からプラス85℃、「Mー300P」はマイナス200℃からプラス200℃までの温度帯にそれぞれ対応。同部長は、「いずれもバッテリー寿命は1年ほどで、交換もご自身で行えるが、難しい場合はサポートも万全」と語る。

 

同製品の特徴として、価格面を挙げるのは営業統括部の中山大輔氏。「特に『Sー400』は9000円でEDGEVueの利用料も無料と非常に手軽に導入いただける。最小個数も『Sー400』は3個、『Mシリーズ』は1個からとしている」と説明。「テスト的に導入いただけるよう我々としても大変こだわった」と明かす。「ゼブラ社はグローバルでの年間売上が約42億ドルのメジャーな企業で、今回、日本初の独占販売となった当製品も直近5年間で数十万ドルの出荷実績があるため、この低価格が実現した」という。

 

「今後は、ゲートウェイ端末の開発や他の機器・サービスとの連携も目指す」とロードマップを示す小林部長。「輸送中の温度管理にとどまらず、倉庫・物流全体のソリューションを提案し、サプライチェーン全体のDXを実現するのが当社のゴール」と青写真を描く。中山氏は、「ワクチン輸送など医療関係はもちろん、食品輸送でもロスや廃棄を防げるため、社会貢献につながるのでは」と背筋を伸ばす。「ユーザーから感想や意見・要望を聞き、柔軟にカスタマイズに対応したい」と語った。

 

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