木材の利用を促進し、木造建築技術の発展を目指す非営利団体のカナダ林産業審議会(COFI、東京都港区)は、ツーバイフォー工法(枠組壁工法)による木造倉庫の建築・普及を推進している。同会日本代表のショーン・ローラー氏は、「木造倉庫の需要は近年、非常に高まっている。木造は倉庫に適しており、様々な倉庫に適用できる」と語る。

ツーバイフォー工法は、建築現場で木材を加工する従来の工法と異なり、あらかじめ規格化された構造用製材(ディメンションランバー)を現場で組み立てる工法。同代表は、「品質向上や工期短縮、コストダウンが図れる」とアピールする。

 

木造ならではの効果として「断熱・気密性能」を挙げるのは、市場開発部のケビン・J・ビューズ本部長。「夏涼しく、冬は暖かいため、倉庫で働くスタッフも、快適に過ごせるのでは」と話す。

「ツーバイフォー工法が日本に持ち込まれてから長らく、住宅建築に利用されてきた。その延長で、現在は大型施設化が進み、市場は拡大の一途をたどっている」と説明。「倉庫の場合、荷重などの関係から平屋がほとんどで、2ー3階建て以上は次のステップとして、今後さらなる技術革新が待たれる」。

 

同工法は、「建築中の安全性が高まる、ゴミ削減による環境面にも配慮できるなど、社会貢献性も高い」と強調する両氏。「技術の革新とともに、耐震・耐火性能も増している」と付け加える。「鉄骨造にもメリットはもちろんあるため、適材適所で組み合わせることが重要」と語った。

 

◎関連リンク→ カナダ林産業審議会