ヤマト運輸とワット 大規模マンションで自動配送ロボの実証実験開始

ヤマト運輸と建屋フロア間自律走行ロボットを開発するWATT(ワット、崔宰源社長、韓国ソウル市)は8月22日から、大規模マンションでの新たなラストマイルモデルの構築に向け、自動配送ロボットを活用した実証実験を開始した。
2026年中の実用化に向けて、首都圏・関西圏を対象に実証地域を拡大し、ほかの宅配事業者や他業界の荷物配送にも対応予定。同日、実証場所であるプラウド新浦安パームコートで記者説明会を開催、配送ロボットのデモンストレーションを行った。
都市部や再開発エリアでは、1000戸を超える大規模マンションが増加している。両社は同実証を通じて、大規模マンション特有の環境での自動配送ロボットの運用性能や障害物回避などの動作機能の検証、また24時間稼働による利便性や住民満足度、運用コストなどの導入効果を検証する。プラウド新浦安パームコートでは9月24日まで、プラウドタワー目黒MARCでは10月23日~12月10日で実証を予定。使用機材は、WATT社が開発を手掛けるスマート宅配ボックス(W―Station)、対面型自動配送ロボット(James mW)、非対面(置き配)型自動配送ロボット(James W)。
記者説明会では実際に、常駐スタッフが宅配ボックスに荷物を預け⼊れ、配送ロボットが宅配ボックスから荷物を取り出し対⾯配達を⾏う様⼦、⽞関前に置き配する様⼦、マンションのセキュリティを解除しエレベーターのボタンを押して乗り込む様⼦がデモンストレーションされた。
宅急便部エリアマネジメント推進課の宮原陽平担当課長は、今回導入したロボットについて、「ロボット自身がボタンの位置などを学習して稼働するのでシステム連携を必要とせず、エレベーターのメーカーに左右されないところが最大の強み」と解説。久保田亮宅急便部長は、「汎用性の高いロボットの導入により、顧客ニーズにジャストフィットできることが従来なかった部分」とし、「我々がお客様にとって利便性が向上すると思って取り組んでいることが、はたして本当にお客様に受け入れてもらえるのかが、一番確認したいところ」と述べた。
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