安全会議の「今月もご安全に〜第3回〜」 1本の電話の習慣が事故を減らした
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Image: weekly-net.co.jp
安全会議の森川美希です。
「またやってしまった…」。
年2~3回、軽微な事故を繰り返していたBさん。トラックドライバーとしての責任感は強いものの、失敗のたびに「自分はダメだ」と自責の念にかられ、職場でも叱責される日々に心が折れそうになっていました。
「渋滞や疲れ、イライラが続くと、冷静さを失ってしまうんです」。Bさんの話を聞いていると、「事故の原因は技術ではなく、感情のコントロールにあるのではないか」と気づきました。そこで、私は管理者YさんとともにBさんに一つの提案をしました。「イライラしたときは、感情を切り替えるためにYさんに電話をしましょう」。
Bさんは疲れやイライラを感じたとき、安全な場所に車を停め、Yさんに電話をかけることにしたのです。Yさんと話す度に、Bさんの心は次第に落ち着いていきました。そして、不思議と「譲る気持ち」や「自分の安全を守ろう」という意識が芽生えたのです。
「これくらい、まぁいいか」と、ふと油断しそうになったときも、Bさんは電話での対話を思い出し、ハンドルを持ち直しました。気づけば、毎年3回起きていた事故は年1回に減り、ついには無事故の日々が続くようになったのです。
「もう電話をしなくても、自分で気持ちを切り替えられるようになりました」。そう語るBさんの姿は自信に満ち溢れていました。
自分の安全のために、知恵を借りたりサポートを受けたりするのは大切な手立てです。
誰かに迷惑をかけるのでは? 業務の邪魔になるのでは? と考えずに、頼るべき時に頼ることができれば、現場の安全は作られます。