ZENSHO HOLDINGS トラックボディーを広告媒体に

ZENSHO HOLDINGS(愛知県春日井市)は、トラックの荷台を広告媒体として活用するサービスの普及を目指している。同社が広告主を獲得し、車両の荷台を広告スペースとして提供した運送事業者に掲載料のマージンが渡る仕組み。今井友貴社長は、「2024年問題で業界全体が人手不足や低賃金、労働環境悪化などの課題を抱えるなか、運送事業者に新たな収益源を提供したい」と同事業の意義を説く。
広告主が支払う掲載料金は、4トン車へのフルラッピングで月20万円〜、両側面や背面のラッピングが同10万円〜。運送事業者には規定ランクに応じて、20%〜などの報酬が支払われる。
澤木保志常務は、「いま稼働している車両に広告を載せるだけで収益が上がる。もちろん広告掲載車両は通常運行で構わないし、今までの業務を変える必要もない」と説明。「第三者の広告を載せる以上、煽り運転はしないなどの一般的なマナーは守っていただく必要がある」とするが、「すでに取り組まれていることだろうから、問題はないはず」。本業の稼働がない日に広告主のイベントへ出向くようなことがあれば、その分の費用も受け取れるという。
荷台へのラッピング料は広告主が持ち、トラックを提供する運送事業者の負担はない。同常務は、「施工はリコーデジタルペインティング社のオートボディープリンターを保有する最寄りの企業に持ち込んでもらう計画」とし、「運送事業者さんの本業に、極力、影響が出ない形での運用を目指す」という。
同社は「貨物トラック広告の正しい知識と適切な利用方法を社会に広める」ために、「一般社団法人貨物運送トラック広告協会」を設立。同常務は、「業界の第一人者になるという目的のもと、当社が発起人となり立ち上げた」と説明する。
同協会へ参画する運送事業者に対して勉強会や講習会を開き、トラックを利用した広告運行に必要な知識や安全意識を伝えていく。「ゆくゆくは、受講の度合いでランク分けし、広告料の配分を変えていくことも検討している」という。
澤木常務は、「広告主の獲得は順調に進んでおり、10台分のテスト運行がスタートする」と説明。業種は美容系のクリニックやインプラント、メーカー、不動産など多岐に渡る。同社長は、「まずは中京エリアからスタートし、年間車両登録台数は3万台を目指す」と意気込む。
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